charlewisのパワプロ×MLBブログ

もっとメジャーリーグの魅力を届けたい!と思い、現在のMLBで活躍しているメジャーリーガー達をメインにパワプロで選手を査定・再現し紹介しています。

ボー・ビシェット(2025) Bo Bichette パワプロ再現選手・パワナンバー

抜群のバットコントロールを誇るMLB屈指の巧打のショート

・2025年成績

139試合 .311 18HR 94打点 4盗塁 OPS.840 DRS-12 fWAR3.8 rWAR3.5

パワナンバー:10900 71445 48351

 

ビシェットの2025年Statcastパーセンタイルランキング。優れたコンタクト力はSquared-Up%*1、Whiff%(空振率)、K%(三振率)にも表れており、xBA(予想打率).299はMLB上位2%の数字に。Launch Angleは低い一方、LA Sweet-Spot%*2も優れた数値を残している。

MLB通算打率.299、274HRを記録したスラッガー、ダンテ・ビシェットを父に持ち、広角にヒットを放つ抜群のバットコントロールを武器にMLB有数の巧打のショートとして活躍し続けている2世ショート。

2016年にドラフト2巡目(全体66位)でブルージェイズから指名されプロ入り。オフにはWBC予選にブラジル代表として参加している。

2019年7月にメジャーデビューを果たすと46試合ながら打率.311、11HR、OPS.930と好成績を残しショートのレギュラーの座を掴むと、2021年は打率.298、29HR、102打点、25盗塁を記録、2022年は打率.290、24HR、93打点、13盗塁を記録し2年連続でア・リーグの最多安打を獲得。

しかし近年は負傷離脱が増え、2024年は3度のふくらはぎの怪我により81試合の出場に留まった。

2025年は139試合で打率.311、18HR、94打点、OPS.840とバッティングで大きく貢献した一方、守備では膝の負傷の影響もあってかOAA -13、DRS-12とMLBワーストクラスの数値に。9月に膝を痛めてレギュラーシーズンを終えると、復帰したワールドシリーズではMLBでは初となるセカンドとして出場。運命の第7戦では大谷翔平からHRを放つなど7試合で打率.348、1HR、6打点、OPS.923と活躍したがワールドシリーズ制覇にはあと一歩届かなかった。

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ブラジル人の母を持つ事からブラジル代表として国際大会へ出場する権利を持っており、25年4月に兄のダンテ・ビシェットJr.*3と共にWBCへブラジル代表としての参加を発表している。またブラジルは日系人の存在もあり親日国という事もあってか、子供の頃はMLBではなくNPBでプロになる事を夢見ていたとか。

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査定

・弾道2

Launch Angle 8.2、GB/FB 1.52

・走力 E48

Sprint Speed 26.1(MLB下位21%)。19年には28.4(上位18%)、21年には28.0(上位26%)を記録するなどスピードも武器だったが以降は低下傾向に。25年は26.1と下位レベルにまで低下してしまった。

・守備力 E45

25年は1139.0イニングでOAA-13(MLB下位1%)、DRS-12を記録。OAAとDRSに加えFielding Run Value -10全てショートの選手として最下位となり、怪我から復帰したワールドシリーズではMVPでは守った事がないセカンドで起用された。

チャンスB

得点圏打率.381

ケガしにくさE回復C

24年はふくらはぎを3度痛めた事もあり81試合の出場に留まった。25年は6月末に膝を痛め数試合割譲、9月にも再び膝を痛めて離脱しレギュラーシーズンを終えている。

走塁E

三塁打1本、Extra Bases Taken Runs*4 -1

アベレージヒッター

抜群のバットコントロールを誇り21年&22年に最多安打を獲得、MLB通算打率も.294と高い。

プルヒッター流し打ち

ビシェットの2025年ヒットスプレーチャート(安打分布図)

全18HRの内10HRが引っ張り(Pull)方向の一方、HR以外(特にシングルヒット)は全方向に放たれている。いかにもビシェットらしいスプレーチャートに。

固め打ち

1試合3安打以上 16回

粘り打ち

K%(三振率)14.5%(MLB上位15%)。三振も少なく、2ストライク時打率.253と追い込まれてもヒットを放つ。

インコースヒッター

左側がコース別HR数、右側がコース別打率(共に2025年)

先中18HRの内10が内角(ボール球含む)を打った物で、ゾーン内の打率も高い。

対変化球○

全18HRの内11HRが変化球を打った物。またRun Valueもシンカー(ツーシーム)、スライダー、チェンジアップ、カーブで+5を記録するなど、どの球種も上手く対応している。

満塁男

満塁時打率.500(10打数5安打)、OPS1.055

悪球打ち

ビシェットの2025年コース別ヒット数

Chase% 35.2%(MLB下位12%)、O-Contact%(ゾーンがあるコンタクト率)65.0%、また全181安打の内37安打(20.4%)がゾーン外のボールを打った物だった。

併殺

併殺17

積極打法

ブルージェイズでのチームメイト、アーニー・クレメント程の早打ちでは無いが積極的なアプローチを見せ、Z-Swing%(ゾーン内スイング率)は71.3%を記録している。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたブルージェイズのボー・ビシェット(2025ver.)でした!

現在はFAとなり市場でも注目を集めているビシェット。依然ショートとして見込まれている一方、ショートに主力選手を抱える球団はセカンドorサードとして関心を示していると報じられており起用法も含めてビシェットの今後に注目です!

国籍もブラジルにしたかったのですが、ブラジルが搭載されていなかったのでボー・タカハシ(元西武)にならって国籍はその他にしました。そろそろ国籍の選択肢を増やして欲しいところ…

 

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*1:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*2:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

*3:マイナーと独立リーグで9年プレーした後に引退していたが、トレーニングを重ねてWBC予選に出場、主力としてブラジルの予選突破に貢献した

*4:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

ジョージ・スプリンガー(2025) George Springer パワプロ再現選手・パワナンバー

DHとして復活を果たし32HRを記録した“恐怖の核弾頭”

・2025年成績

140試合 .309 32HR 84打点 18盗塁 OPS.959 DRS-7 fWAR5.2 rWAR4.8

・2025年タイトルなど

シルバースラッガー(DH)

パワナンバー:10200 41415 43030

 

スプリンガーの2025年Statcastパーセンタイルランキング。Avg Exit Velocity(平均打球速度)は平均レベルだが、非常に優れたバレル率とLA Sweet-Spot%*1 を記録。効率よく打球に角度をつけて32HRを放った。Chase%もMLB上位7%と選球眼もトップクラス。

強打のリードオフマンとして「コア4」の一角を担いアストロズの黄金期を支え、2025年は36歳にして打率.309、32HR、OPS.959を記録し復活。ブルージェイズをワールドシリーズへ導く逆転3ランを放った“恐怖の核弾頭”。

2014年にアストロズでメジャーデビューを果たすと、2016年以降から強打のリードオフマンとしてアストロズの黄金期を支える存在に。2度のシルバースラッガー賞受賞、4度のオールスター選出、2017年には7試合5HRの活躍でアストロズ初のワールドシリーズ制覇に貢献しMVPに輝くなどアストロズを牽引した。

2020年オフにFAとなった後、2021年1月に6年総額1億5000万ドルでブルージェイズと契約。

ブルージェイズ移籍後は負傷による離脱も多く2023年の25HRが最多だったが、2025年は140試合で打率.309、32HR、84打点、18盗塁、OPS.959を記録し大復活。守備ではOAA*2 -6、DRS-7と衰えが目立ちDHでの出場がメインとなったが、ブルージェイズの地区優勝に大きく貢献した。

ポストシーズンでもバッティングで貢献し、マリナーズとのALCS第7戦では1-3で迎えた7回裏に逆転3ランを放ちブルージェイズをワールドシリーズへ導くと、ドジャースとのワールドシリーズでは脇腹を痛めながら打率.381を記録している。

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アストロズ時代から長年リードオフマンを務めている事もあり、MLB通算での先頭打者HR63本は81HRのリッキー・ヘンダーソンに次いでMLB歴代2位の数字。25年は3本の先頭打者HRを記録している。

 

査定

・弾道4

Launch Angle 17.2、GB/FB 0.91

・パワー A82強振多用

バットスピードはMLB上位28%とハイレベルだが、Avg Exit Velocity(平均打球速度)は下位50%と平均的な数値に。それでも上手く打球に角度をつけた事で32HR、本塁打率15.56を記録した。

・守備力 F36

アストロズ時代は守備もハイレベルだったが、近年は守備の衰えが目立つ。25年は436.2イニングでOAA-6、DRS-7と大きく悪化。5月以降はDHでの起用がメインとなった。

チャンスC

得点圏打率.330

対左投手F

対右打率.327、対左打率.254

ケガしにくさE

7月28日のオリオールズ戦で頭部に死球を受け約2週間の離脱。ワールドシリーズではスイングの直後に脇腹を痛め、復帰後もスイングをする度に顔をしかめていた。

盗塁B慎重盗塁

盗塁成功率.947、Basestealing Runs +2

送球E

436.2イニングで補殺1、Arm Value -3

パワーヒッター

ブルージェイズ移籍後の21年以降のHR数は20台前半に留まっていたが、25年は32HRと復活。バレル率もキャリアハイの16.1%(MLB上位7%)を記録した事から採用。

ダメ押し

リード時(Ahead)打率.410

対ストレート○

フォーシームRun Value +16、シンカー(ツーシーム)Run Value +12

決勝打

ALCS第7戦で値千金の逆転3ランを放ち、ブルージェイズのリーグ優勝とワールドシリーズ進出を大きく手繰り寄せた。

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マルチ弾

1試合2HR 5回

満塁男

満塁時打率.500(打数12)、2HR、OPS1.462

併殺

併殺14

選球眼

Chase% 20.4%(MLB上位7%)、BB% 11.8%(MLB上位15%)

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたブルージェイズのジョージ・スプリンガー(2025ver.)でした!

まさか36歳にして32HRを記録するとは思っていませんでしたね〜!バレル率もキャリアハイの数値を残し、アストロズ時代よりも「技」で打ったHRが増えた印象です。

そしてワールドシリーズで脇腹を痛めてからの打席は見ていて痛々しかったですが、本当に脇腹を痛めているのかと思う様なバッティングも凄かった…!

 

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*1:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

*2:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

ブラディミール・ゲレーロJr.(2025) Vladimir Guerrero Jr. パワプロ再現選手・パワナンバー

父譲りの圧倒的なパワーと強肩を誇るブルージェイズの大黒柱

・2025年成績

156試合 .292 23HR 84打点 6盗塁 OPS.848 DRS+8 fWAR3.9 rWAR4.6

・2025年タイトルなど

NLCS MVP、オールスター

パワナンバー:10600 91465 29188

 

ゲレーロJr.の2025年Statcastパーセンタイルランキング。MLB上位4%のバットスピードから今季のMLB2位となる最高打球速度120.4マイル(193.8キロ)を記録する強烈な打球を放つ。加えてSquared-Up%*1も上位20%と高くコンタクト能力もハイレベル。一方でLA Sweet-Spot%*2が下位39%という事からも打球角度の低さだけが大きな課題か。

MLB通算449HRを記録し殿堂入りも果たしたブラディミール・ゲレーロを父に持ち、2021年には大谷翔平とHR王争いを繰り広げた事で日本でも有名になったブルージェイズの若き大黒柱。

2015年にブルージェイズと契約を結びプロ入り。

2019年4月にメジャーデビューを果たすと、ルーキーながらオールスターゲームのHRダービーに選出され準優勝、計91HRを放ち大きなインパクトを残した。

2021年にはエンゼルスの大谷翔平、ロイヤルズのサルバドール・ペレスと共に激しいHR王争いを繰り広げ、最終的に161試合で打率.311、48HR、111打点、OPS1.002を記録しペレスと共にHR王に輝くなど大ブレイクを果たす。

以降は30HR前後とゲレーロJr.にしては物足りない数字が続いており、2025年は156試合で打率.292、23HR、84打点、OPS.848を記録。HR数は21年以降で最小の数字となった。

しかしポストシーズンでは18試合で打率.397、8HR、15打点、OPS1.289の大活躍でブルージェイズを牽引。惜しくもワールドシリーズ制覇には届かなかったが、ブルージェイズ残留&契約延長という選択を自らのプレーで良い選択にしたと言えるだろう。

 

査定

・弾道2

Launch Angle 7.8、GB/FB 1.44

・パワー A87強振多用

打球角度が関係しないAvg Exit Velocity(平均打球速度)、ハードヒット率、バットスピードは毎年トップクラス。21年には48HRを記録するなど純粋なパワーはMLBでも有数のレベル。

・走力 D55

Sprint Speed 26.9(MLB下位36%)。父ゲレーロSr.は2002年に39HR&40盗塁を記録し「30-30」を達成するなどスピードもハイレベルだったが、Jr.には受け継がれなかったか。

・肩力 A85

2024年のArm Strengthのポジション別ランキング。ゲレーロJr.はファーストの中で文字通り頭ひとつ(それ以上かも)抜けた位置につけている。

Arm Strength 82.8(1Bでは3位)。24年には1Bの中ではダントツで1位となる88.5を記録するなど「バズーカ」と称された父親譲りの強肩の持ち主。因みにArm Strength 88.5は、24年ではボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)やカルロス・コレア(ツインズ)と同値。ポジションは2人がショートなのに対し、ゲレーロJr.はファーストである事を考慮するととんでもない数値。

・守備力 D56積極守備

25年はOAA*3 -2、Fielding Run Valueはキャリアハイの-1を記録、更にDRS+8もキャリアハイと守備ではゲレーロJr.史上ベストと言っても良さそうな数値に。ワールドシリーズでも果敢な守備でブルージェイズを盛り立てた。

対左投手C

対右打率.282、対左打率.326

ケガしにくさB回復C

2019年のデビュー以降毎シーズン規定打席に到達し続けており、25年も規定打席に到達。25年は3度怪我をしている様だがいずれもIL入りには至らなかった。

走塁E

三塁打0本、Extra Bases Taken Runs*4 -1

初球○

0ストライク時打率.409、OPS1.158

ハイボールヒッター

左側がゲレーロJr.の2025年コース別打率、右側が2025年コース別Launch Angle。

ストライクゾーン内高めの打率が高く、それと比例する様にコース別Launch Angleもゾーン内高めが良い。打球角度が低いゲレーロJr.からすれば高めは角度がつけやすいのだろうか。ワールドシリーズ第4戦で大谷翔平から放ったHRも印象的だった。

ラインドライブ

ゲレーロJr.のパワーと打球角度の低さから。ある意味最もラインドライブが似合う選手かもしれない。

対ストレート○

フォーシームRun Value +11、シンカー(ツーシーム)Run Value +15。特にシンカーは打率.365、長打率.532を記録し、Run Value -2だった24年から大きく向上した。

併殺

併殺17。短縮シーズンだった2020年以外は毎年16併殺以上を記録している。

選球眼

Chase% 21.4%(MLB上位11%)、BB% 11.9%(MLB上位14%)

人気者

25年4月に14年総額5億ドルでブルージェイズと契約を延長。トレードの噂も過去の物となり着実にフランチャイズプレイヤーへの道を歩んでいる。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.(2025ver.)でした!

昨シーズンのオフにはトレードの噂が飛び交っていましたが、今シーズン開幕直後に14年5億ドルという大型契約でブルージェイズに残留、そして地区優勝に加えリーグ優勝にも自らのプレーで大きく貢献したゲレーロJr.。

カナダ生まれ、ブルージェイズ一筋という事もありカナダへの愛も大きいだけに、近年では貴重なフランチャイズプレイヤーとしてブルージェイズの歴史に名を残す選手になってくれるのではないでしょうか。

 

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*1:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*2:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

*3:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

*4:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

アーニー・クレメント(2025) Ernie Clement パワプロ再現選手・パワナンバー

日本製の中古グラブを愛用する多才なユーティリティ

・2025年成績

157試合 .277 9HR 50打点 6盗塁 OPS.711 DRS+21(2B&3B) fWAR3.2 rWAR4.3

・2025年タイトルなど

フィールディング・バイブル・アワード(マルチポジション)

パワナンバー:10200 61465 14601

 

クレメントの2025年Statcastパーセンタイルランキング。パワー系の指標は全てワーストクラスだが、MLB有数の優れたSquared-Up%*1、Whiff%(空振り率)、K%(三振率tでカバー。内野の複数のポジションを守りながらOAA*2 +15を記録するなど守備での貢献も大きい。

MLBトップクラスのコンタクト力とユーティリティとして高い守備力を兼ね備え、自ら取り寄せたミズノ製の中古グラブを愛用している事でも話題となった遅咲きのユーティリティプレイヤー。

2017年にドラフト4巡目(全体132位)でインディアンズ(現ガーディアンズ)から指名されプロ入り。

2021年にメジャー初昇格を果たすも翌日に降格するなど40試合の出場に留まり、2022年は64試合に出場した後の9月にDFAとなりウェーバーを経てアスレティックスへ移籍。しかしオフに再びDFAに。

2023年3月にリリースされ自由契約となった2日後にブルージェイズとマイナー契約を結ぶと、2024年はユーティリティとして139試合に出場し打率.263、12HR、51打点を記録し守備でもOAA+7、DRS+15と貢献。

2025年は内野のレギュラーとして157試合に出場し初の規定打席に到達し、バッティングでは打率.277、9HR、50打点を記録、守備でも内野全ポジションで合計OAA+15、DRS+22と大きく貢献。

更にポストシーズンでは18試合で打率.411、1HR、9打点、OPS.977と大当たり。単一ポストシーズンでの最多安打記録となる30安打を放ちブルージェイズの快進撃を支えた。

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クレメントが使用しているグラブはミズノの中古グラブ。数ヶ月前にアメリカのオークションサイト「eBay」にて150ドルで購入したそう。クレメントは「グラブが磨耗してきたので、eBayで良さそうだった物を購入した」 「このグラブはとても古く、 パッドが入っていないのでグラブの下にバッティンググローブを着用する必要がある」と語っており、実際にグラブの下にバッティンググローブを着用してプレーしている様子が確認できる。

 

査定

・弾道4

Launch Angle 17.9、GB/FB 0.79。LA Sweet-Spot%*3もMLB上位25%と高く、上手く打球に角度をつけている。

・走力 B79

Sprint Speed 28.6(MLB上位18%)

・守備力 B78積極守備

25年はサードとセカンドを中心に内野の全ポジションを守り、内訳は

1B:69.0イニングでOAA±0、DRS+1

2B:423.1イニングでOAA+6、DRS+10

3B:603.0イニングでOAA+7、DRS+11

SS:170.0イニングでOAA+2、DRS±0

とどのポジションもしっかり守った上で合計でOAA+15、DRS+22を記録。ゴールドクラブのユーティリティ部門こそ内外野全ポジションを守った上でOAA+20、DRS+14を記録したマウリシオ・デュボン(アストロズ)に譲ったものの、フィールディング・バイブル・アワードのマルチポジション部門を受賞している。

対左投手B

対右打率.254、対左打率.326

ケガしにくさC

本格的にメジャーに定着したのが24年からというのもあるが、FOX SportsのInjuriesで確認できるのは21年のHealth Protocols(コロナウイルス関連のルール)のみ。

盗塁F慎重盗塁

盗塁成功率.545、Basestealing Runs -2。通算盗塁成功率も.655と低く、俊足だが25年の盗塁企図数は僅か11だった。

走塁B

三塁打2本、Extra Bases Taken Runs*4 +3

送球C

25年の11エラーの内9つが捕球エラー。サードでの4エラーは全て捕球エラーだった。

プルヒッター

クレメントの2025年ヒットスプレーチャート(安打分布図)

25年に放った9HRは全て引っ張り(Pull)方向への物

粘り打ち

K%(三振率)10.4% (MLB上位4%)

インコースヒッター

クレメントの2025年コース別HR数

全9HRの内5HR(ゾーン外含む)がインコースのボールを打った物だった。

悪球打ち

クレメントの2025年コース別ヒット数

Chase% 36.4%(MLB下位9%)、全151安打中36安打(23.8%)がゾーン外のボールを打った物だった。またO-Contact%(ボール球のコンタクト率)も71.9%、MLB通算では75.5%と高め。

積極打法

とにかく仕掛けが早い。BB% 4.6%はMLB下位6%、P/PAも3.182と低い。ワールドシリーズでも早打ちの場面が目立った。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたブルージェイズのアーニー・クレメント(2025ver.)でした!

デビュー当初からWhiff%とK%の低さ(空振りと三振の少なさ)は目立っており、そこにコンタクトに優れた選手を集めたかったブルージェイズが目をつけブレイクを果たしたというところでしょうか。

デビュー後の苦労と現在の活躍ぶり、そして中古のミズノ製グラブを愛用するなど応援したくなる選手ですし、来シーズン以降もクレメントに注目していきたいと思います!

 

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*1:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*2:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

*3:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

*4:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

トレイ・イェサベージ(2025) Trey Yesavage パワプロ再現選手・パワナンバー

超オーバースローでポストシーズンの主役となった変則ルーキー

・2025年成績

3試合 14.0イニング 1勝0敗 防御率3.21 奪三振16 WHIP1.43 fWAR0.4 rWAR0.3

パワナンバー:10600 11425 09258

 

イェサベージの2025年Statcastパーセンタイルランキング。フォーシームの球速は平均的、BB%(四球率)も低いが真上から投げ下ろす変則フォームを武器に非常に高いChase%(ボール球スイング率)とWhiff%(空振率)を記録。奪三振能力もハイレベル。

イェサベージの2025年Pitch Movement Profile。アームアングル64°、リリースポイントの高さ7.11フィート(MLB1位)と真上から投げ下ろす。スライダーは回転軸、変化方向共にシュート方向という“逆スライダー”。

プロ1年目ながらアームアングル64°、MLB最高のリリースポイントの高さ7.11フィート(2m17cm)から投げ下ろす変則フォームを武器に1シーズンでAからMLBへ到達、ポストシーズンでも主役となったシンデレラボーイ。

2024年のドラフト1巡目(全体20位)でブルージェイズから指名されプロ入り。

2025年はAで開幕を迎えると5月にA+へ、6月にAAへ、8月にAAAへと昇格を重ね、9月15日のレイズ戦でメジャーデビューを果たし3試合で1勝0敗、防御率3.21を記録。

ポストシーズンではヤンキースとのALDS第2戦で5.1イニングを投げ無安打無失点、11奪三振の快投を見せると、ドジャースとのワールドシリーズ第5戦でも7.0イニングで被安打3、1失点、12奪三振を奪い強力なドジャース打線を制圧。12奪三振はルーキーとしてのワールドシリーズ史上最多記録となるなど、ワールドシリーズ制覇に後1歩まで迫ったブルージェイズの快進撃に大きく貢献。プロ1年目にAからMLBまで到達、更にポストシーズンでも好投を見せるというおとぎ話の様なルーキーイヤーを過ごした。

youtu.be

 

査定

・球速 155km/h

25年の最速はMLBで計測した96.9マイル(155.95キロ)

・コントロール E44

BB/9(与四球率)4.50、死球0、暴投0。MiLBではBB/9 3.77、ポストシーズンではBB/9 3.58とまずまず。

・スタミナ D57

3先発で14.0イニング、平均投球回4.67。6登板(5先発)のポストシーズンでも平均投球回は4.61とほぼ変わらず。

・Vスライダー3

スライダー。投球割合28.5%、被打率.286。

イェサベージの球種別のSpin Direction(回転方向)。Spin-Basedが回転軸、Observedが変化方向。

イェサベージのスライダーは何故か回転軸が12:45分方向、変化方向は1:15分方向とシュート方向へ動きながら落ちる“逆スライダー”。ただフォーシームの方がHorizontal Break(水平方向、この場合は利き手側への変化量)が大きい事からVスライダーを選択。

因みにAAAではカッターも投げていたが、平均球速87.3マイル(140.5キロ)、平均2303回転と球速もスピン量もスライダーとの差が見られないので不採用に。

・スプリット5 (オリジナル変化球)

スプリット。投球割合26.4%、被打率.111。対左打者ではフォーシームとスプリットを中心に投げる。ポストシーズンも含めると左打者に対して被打率.114、Whiff% 57.5%と難攻不落の球種に。

Vスライダーとの角度差をつけたかったのでHシンカーをベースにしたオリジナル変化球で再現。

対左打者B

対右被打率.203、対左被打率.136(MLB&AAA)

ノビE

フォーシーム被打率.313、Whiff% 21.4、SwStr% 7.4。ポストシーズンも含めると被打率.256、Whiff% 19.8%、AAAでは被打率.243、Whiff% 27.6%と悪くはないのでノビDに。

奪三振

K/9(奪三振率)10.29、14.69(MiLB)

リリース○

左側が2025年の球種別アームアングル、右側がリリースポイント

球種別にアームアングルは最も高いスプリット(FS)が65°、最も低いフォーシーム(FF)が64°と同じ腕の振りで投げ分け球種別のリリースポイントにも大きな差は見られない。

球持ち○

左側が25年MLBにおけるブルージェイズの投手のアームアングル&リリースポイント、右側が25年MLBのリリースポイントの高さ(Height)ランキング

Extension*1 6.3はMLB下位33%だが、真上から投げ下ろすフォームによりリリースポイントの高さは25年のMLB最高となる7.11フィート(2m17cm)を記録。

アンダースローが低いリリースポイント故に変則なのであれば、このリリースポイントの高さもまた変則と言うべき?

球速安定

フォーシーム平均球速94.7マイル(152.4キロ)

ゴロピッチャー

GB%(ゴロ率)56.4%、GB/FB 2.63。ポストシーズンでもGB/FB 1.32とゴロが多かった一方、MiLBではGB/FB 0.87とフライが多かった。

・走力 E41

60ヤード走 7.37秒(2019/1/26)、50m走換算 6.72秒

投球位置右

プレートの1塁側の端を踏んで投げる事で左打者から逃げていく様な角度がつき、そこから更に逃げながら沈むスプリットは左打者を大いに苦しめた。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたブルージェイズのトレイ・イェサベージ(2025ver.)でした!

イェサベージはStatcastのデータがあるMLBでもAAAでもイニング数が少ないので査定がかなり難しかったですし、正直なところサンプル不足感が否めません笑

因みに「Yesavage」の日本語表記はイェサベージとイーサベッジに分かれがち。実況の発音はイェサベージに聞こえますが、本人の発音はスピードが早いせいか「イサベジ」に聞こえるので何とも言えませんね…

 

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*1:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

アントニオ・センザテーラ(2025) Antonio Senzatela パワプロ再現選手・パワナンバー

チームメイトと並び今シーズンのメジャーで最も打たれた男

・2025年成績

30試合 130.0イニング 4勝15敗 防御率6.65 奪三振73 WHIP1.84 fWAR-0.1 rWAR-0.5

パワナンバー:10700 31401 81334

 

センザテーラの2025年Statcast パーセンタイルランキング。xERA(予想防御率)、xBA(予想被打率)、K%(三振率)はMLB下位1%、その他も下位10%以下が多く真っ青に。内容を伴った打たれ方と成績…?

センザテーラの2025年Pitch Movement Profile。「打者天国」クアーズ・フィールドの影響かスライダー以外の球種は変化量が平均未満、球速も平均的なので厳しい。それでもフォーシームの割合は53.3%と多投した。

トミー・ジョン手術からの本格的な復帰となった2025年は「打たせて取る」から「打たれて取る」ピッチングとなり、Pitching Run Value -41を記録し1000失点超え投手陣の一角を担ったロッキーズの人気者。

2017年にメジャーデビューを果たすと2018年から先発へ転向。2019年には防御率6.71ながら11勝11敗、2021年には156.2イニングを投げ防御率4.42、fWAR3.5を記録するなど貢献し続けていたが、2023年7月にトミー・ジョン手術を受け1年以上の離脱を余儀なくされる。

2024年9月に復帰を果たし、2025年は開幕から先発ローテの一角を担うが安定して炎上してしまい、8月終盤からはブルペンに回される有様。最終的に30試合(23先発)で130.0イニングを投げ4勝15敗、防御率6.65、WHIP1.84と打たれまくり、Pitching Run Valueは驚異の-41を記録。同じベネスエラ出身のチームメイト、ヘルマン・マルケス(-42)と共に不名誉な1-2フィニッシュを達成し、1021失点を喫したロッキーズ投手陣の一角を形成した。

来シーズンからは本格的にブルペンに転向する(させられる)との事。

2025年MLBのPitching Run Valueランキング(昇順)。これだけでもロッキーズの投壊ぶりが分かってしまう…

センザテーラは打たせて取る元々グラウンドボーラーだったが、25年のGB%はMLB平均レベルに。そこにOAA*1 -26(MLB26位)、DRS -59(MLB30位)を記録するなどMLBワーストクラスのロッキーズの守備も合わさった事で、打たれて取る(なお打ち取れるとは言っていない)ピッチングになってしまったと推測できる。

 

査定

・球速 160km/h

25年の最速はリリーフとして登板した9月に計測した99.7マイル(160.5キロ)。因みに先発としての最速は98.4マイル(158.4キロ)。

・コントロール D56

BB/9(与四球率)3.25、死球8、暴投9

・スタミナ C61

23先発で112.0イニング、先発時平均投球回4.87

・スライダー3

スライダー。投球割合19.5%、被打率.330。被長打率.583と打たれているがセンザテーラ比では良い方。投球割合も変化球では最も多かったが、Run Valueは-6という数字に。

・ドロップカーブ2

カーブ。投球割合14.4%、被打率.250。被打率に加え被長打率.400、Whiff% 28.2%はいずれもセンザテーラの球種の中で最良。Run Valueも-2に留まった。

・Hシンカー1

チェンジアップ。投球割合7.7%、被打率.476。被長打率.690、xSLG(予想長打率).759と長打にされまくりRun Value -9を記録している。平均87.6マイル(141.0キロ)と速いのでHシンカーで代用。

対ピンチC

被打率.341、得点圏被打率.310

打たれ強さE

LOB%(残塁率)66.6%

ケガしにくさE

23年7月にトミー・ジョン手術を受け24年9月に復帰。25年は8月の指の負傷以外は離脱は無かった一方、肝心の成績は…

ノビF抜け球

フォーシーム被打率.365、Whiff% 12.4%、SwStr% 4.9%。Run Valueも-21と破格の数値を記録した事もあり併用する形に。

対ランナー○

ランナー1塁時被打率.302(被打数126)、1.3塁時被打率.176(被打数17)。二盗が可能な状況での被打率は.287とセンザテーラ比では良かった。

ゴロピッチャー

GB%(ゴロ率)44.4、GB/FB 1.37。23年まではGB%が50%を上回るシーズンも多く、センザテーラの特徴と言えそうなので採用。

一発

HR/9(被本塁打率)1.52

寸前

5回防御率9.33、被OPS.956

スロースターター

初回防御率11.03、被OPS1.066

人気者

デビュー以降ロッキーズ一筋、そしてネタになる成績もあってか謎の人気を誇る。センザテーラの名前で活動されるMLB系YouTuberの方も。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたロッキーズのアントニオ・センザテーラ(2025ver.)でした!

デビュー以降ロッキーズ一筋という事もあってか謎の人気を誇るセンザテーラさん。正直何故人気があるのかは分かりませんが、ロッキーズファンの方はもうネタにしていないとメンタルが厳しそう…

野手ではブレントン・ドイル、エセキエル・トバー、ハンター・グッドマンが台頭する一方、投手陣は壊滅的なロッキーズ。もう下山するしかないのでは…?とすら思ってしまいます。

 

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*1:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

【ナックルフォーク】佐々木 朗希(2025) Roki Sasaki パワプロ再現選手・パワナンバー

リリーフ転向とドジャース再生工場で復活した“10月の救世主”

・2025年成績

10試合 36.1イニング 1勝1敗 2ホールド 0セーブ 防御率4.46 奪三振28 WHIP1.43 fWAR-0.1 rWAR0.3

パワナンバー:10100 41464 08171

 

佐々木朗希の2025年Statcastパーセンタイルランキング。出力の高さとExtensionはMLBでも上位レベルだが、それ以外の数値は軒並み平均以下に。制球で苦しんだとはいえWhiff%(空振率)、K%(三振率)が低いのはかなり気になるところ。

佐々木朗希の2025年Pitch Movement Profile。スプリット、スライダー共に変化量が一定していないのは回転数の少なさ故か。フォーシームもアームアングルの割に垂れ気味に見え、これが空振率が低い原因なのかもしれない。

ドジャースでの1年目はマイナー契約から開幕ローテ入りを掴むも右肩痛で長期離脱、そして復帰後はリリーフとして復活し、ポストシーズンではクローザーを務め世界一に貢献と浮き沈みの激しいシーズンとなった「令和の怪物」。

2024年オフにポスティングによるメジャー挑戦が認められ、争奪戦の末に2025年1月にドジャースとマイナー契約を結ぶ。

スプリングトレーニングでの好投により開幕ローテ入りを掴み、東京で行われたカブスとの開幕シリーズ第2戦でメジャーデビュー。しかし制球で苦しむ場面が多く不安定なピッチングが続き、5月には右肩痛(インピンジメント症候群)によりIL入り。

AAAで復帰し数試合に登板した後、9月上旬にアリゾナのキャンプ地でドジャースのピッチングディレクター、ロブ・ヒルとピッチングパフォーマンスコーディネーター、イアン・ウォルシュと面談し、数時間に及ぶ質疑応答やこれから取り組む事で起こりうるデメリットを丁寧に説明する事で佐々木朗希からの信頼を勝ち取る事に成功。

ヒルとウォルシュは骨盤の前傾と早すぎる回転が原因なのではないかという結論に達し、佐々木朗希も含めた3人で右足の使い方などにむいて3時間話し合い修正プランを作成。佐々木朗希は肩の感覚が良くなっていた事や離脱中の下半身の強化などからすぐにこのプランを試す事に。

↑佐々木朗希の4月と10月のフォーム比較。10月は右足がより曲がった状態から始動する事で左足をより大きく使うことが出来ている。

翌日のブルペンで早速95〜97マイル*1を計測しヒルとウォルシュを驚かせると、次のAAAでの登板で平均98.3マイル(158.2キロ)、最速100.6マイル(161.9キロ)を計測し4.2イニングで8奪三振というピッチングを見せる。

www.espn.com

このピッチングにより佐々木朗希のリリーフ転向案が持ち上がり、その後リリーフとしてメジャーに復帰。ポストシーズンでは実質的なクローザーを務め、ワイルドカードシリーズのレッズ戦ではまさに「令和の怪物」と言うべき圧倒的なピッチングを披露。NLCSのブルワーズ戦以降は100マイルに届く事が減り制球も不安定になったが、9試合で10.2イニングを投げ2ホールド、3セーブ、防御率0.84と好投しドジャースのワールドシリーズ連覇にブルペンの救世主として大きく貢献した。

youtu.be

 

査定

・球速 163km/h

25年の最速はポストシーズンのレッズ戦で計測した101.4マイル(163.2キロ)。レギュラーシーズンではカブスとの東京シリーズ第2戦で計測した100.5マイル(161.7キロ)。

・コントロール E42四球

BB/9(与四球率)5.45、死球3、暴投2

・スタミナ C61

8先発で34.1イニング、先発時平均投球回4.29。先発数が少ない事に加え、制球で苦労しで球数が増える試合も多かったので公式査定と同値に。

・スラーブ3

スライダー。投球割合16.3%、被打率.250(被打数12)。スライダーも平均1869回転とかなりスピン量が少なく、平均82.0マイル(132.0キロ)という遅さもあってか縦横共に変化量は大きい。スライダーとしては遅めの球速と変化量からスラーブで再現。

・ナックルフォーク6 (オリジナル変化球)

スプリット。投球割合33.5%、被打率.146。

2025年MLBレギュラーシーズンにおけるスプリットの平均回転数ランキング(昇順)

佐々木朗希のスプリットは平均492回転と異様にスピン量が少なく、それ故か時折ナックルの様に予測不可能な変化も見せるというかなり特殊なスプリット。25年のMLBにおいて2番目に回転数が少ないジャスティン・マルティネス(Dバックス)のスプリットが平均661回転に対し、佐々木朗希のスプリットは唯一500回転を下回るなどMLBで最も回転数が少ないスプリットに。

前回の2025デビューver.と同様にナックルをベースにブレーキやキレをフォークに合わせたオリジナル変化球で再現。前回のナックルフォーク作成後に試合で試したところ「どうやらオリ変設定の重さを変えてもナックルの球の軽さは変わっていないのでは?*2」と感じたので、今回は可能な範囲内で重さは変更せずにフォークに近づける事を意識。

対ピンチC

被打率.221、得点圏被打率.125。イニングが少ないのでCに。

ケガしにくさF

NPB時代から怪我が少なくなく、25年も5月に右肩痛でIL入りし4ヶ月以上離脱する事に。ドジャースのアンドリュー・フリードマンCEOは「(2023年7月の) 腹斜筋の怪我の代償として投球フォームが乱れてしまい、それが明らかに肩の痛みの原因になっていた」と話している。

ノビE

フォーシーム被打率.253、Whiff% 11.7、SwStr% 4.8。被打率は悪くないが空振率がかなり低いのでノビEに。

クイックE

36.1イニングで被盗塁4、CS%(盗塁阻止率)0.0%

キレ○

変化球(スライダー、スプリット)合計被打率.170

リリース○

佐々木朗希の2025年球種別アームアングル

球種別のアームアングルは最も高いスプリットが47°、最も低いフォーシームが43°と大きな差は見られない。リリーフ転向後はほぼフォーシームとスプリットのツーピッチだった事も含めて採用。

球持ち○

Extension*3 7.1(MLB上位8%)

ナチュラルシュート

2025年MLBでのフォーシームのHorizontal Break(vs. Comparable)ランキング

佐々木朗希のフォーシームのHorizontal Break(水平方向の変化量)はvs. Comparable*4で3.8(MLB43位)を記録。2023年のWBCでもストレートがフォーシームではなくシンカーと表示されていた。

れ球

36.1イニングでBB/9 5.45、3死球、2暴投とボールがよく暴れていたが、好調時は空振りこそ多くないものの100マイル前後のフォーシームで押し込めていた。

スロースターター

初回防御率7.88、被OPS.940

抜け球

調子が良くない時はフォーシーム、スプリット共に抜ける場面が多く、ボールが先行して苦しいピッチングになる傾向が。

対ランナー×

ランナー1塁時被打率.375(被打数24)、1.3塁時被打率.000(被打数2)

 

ひとこと

 

たくさんのリクエストありがとうございました!

今回は複数のリクエストを頂いたドジャースの佐々木朗希(2025ver.)でした!

ポストシーズンではクローザーとしてドジャースのワールドシリーズ連覇に貢献した佐々木朗希ですが、理想はやはり先発として支配的なピッチングを見せる事でしょうし、「令和の怪物」モードをなら先発としても十分に活躍出来るのではないかと思います。

またエメット・シーアンの記事でも触れましたが、ロブ・ヒルが本当に凄い。ヒルを始めとしたエキスパート達による、才能を最大限に活かす能力の高さもドジャースの強さを支えているのは間違いないでしょう。

実はオリ変ナックルフォークをSランクで再現するかどうかでかなり悩み、そしてオリ変のススメを持ち込んで最初からサクセスをした事もあり想定以上に時間が掛かりました…

 

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*1:佐々木朗希はブルペンでの球速は試合中よりも4〜5マイル遅いと話していた

*2:オリ変設定で変更できる重さはカーソルの大小に影響する一方、重い球などが影響する球質としての球の重さ・軽さは変更出来ない?

*3:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

*4:平均との比較。具体的には速度差が±2マイル以内、リリースポイントの差が±0.5フィート以内の同じ球種との変化量の比較。

山本 由伸(2025) Yoshinobu Yamaoto パワプロ再現選手・パワナンバー

ドジャースをワールドシリーズ連覇に導いた不動のエース

・2025年成績

30試合 173.2イニング 12勝8敗 防御率2.49 奪三振201 WHIP0.99 fWAR5.0 rWAR5.0 被打率.183

(太字はリーグトップ、斜体はMLBトップ)

・2025年タイトルなど

ワールドシリーズMVP、オールスター、月間投手MVP(4月、9月)

パワナンバー:10000 71473 38937

 

山本由伸の2025年Statcastパーセンタイルランキング。ポール・スキーンズと並びMLB2位タイとなるPitching Run Value +42を記録。xERA(予想防御率)は上位7%、xBA(予想被打率)も上位10%とMLB有数のスターターとして活躍。唯一気になるのはBB%(四球率)の悪化か。

山本由伸の2025年Pitch Movement Profile。25年はカーブの割合を減らしスプリットに近い球速のシンカーとカッターの割合が増加。スプリットは縦に落ちる物とシュートしながら落ちる物を投げ分けているのかも…?

メジャー2年目の今シーズンは怪我なくシーズンを完走し2度月間投手MVPを受賞するなど圧巻の投球を披露。ポストシーズンでは2試合連続の完投、ワールドシリーズでは3戦3勝という大車輪の活躍で連覇の立役者となったドジャースの新エース。

日本で圧倒的な成績を残し、“NPB最強投手”として満を辞して2023年12月に12年総額3億2500万ドルというMLBの投手史上最高額でドジャースと契約し満を辞してメジャーの舞台へ。

2024年は上腕三頭筋の負傷により3ヶ月近く離脱し18試合の先発に留まったが、7勝2敗、防御率3.00とまずまずの活躍を披露。ポストシーズンでも安定してゲームを作りドジャースのワールドシリーズ制覇に貢献。ワールドシリーズ、日本シリーズ、WBC、オリンピック、プレミア12の「5冠」を達成した史上初の選手となった。

2025年は3/4月に6試合で34.0イニングを投げ防御率1.06と圧巻の投球を見せ月間投手MVPを受賞するという最高の滑り出しを見せるが、5月以降からは相手球団の“スプリット対策”に苦しめられ好不調の波が目立つ様に。しかし7月からスプリットに近い球速のシンカーとカッターの割合を増やし的を絞らせないという“対策への対策”が機能し、終盤にはコンディションの向上も重なり復調。9月6日のオリオールズ戦では9回2アウトまでノーヒットと好投するなど再び圧巻の投球を見せて2度目の月間投手MVPを受賞した。最終的に30先発で173.2イニングを投げ12勝8敗、防御率2.49、WHIP0.99を記録、StatcastのPitching Run Valueはタリック・スクーバル(タイガース)に次ぎポール・スキーンズ(パイレーツ)と並ぶMLB2位タイの+42を記録している。

ポストシーズンでも圧巻の投球を続けNLCSのブルワーズ戦、ワールドシリーズのブルージェイズ戦で2試合連続の完投、更にワールドシリーズ第6戦でも6回1失点で勝利を挙げ、運命の第7戦では9回裏のピンチから登板し2.2イニングを無失点に抑えて勝利投手になるという大車輪の活躍でドジャースをワールドシリーズ連覇に大きく貢献。松井秀喜さん以来となるワールドシリーズMVPに輝くなどドジャースの新たなエースとしての地位を不動の物とするシーズンを過ごした。

youtu.be

 

査定

・球速 158km/h

25年の最速はフォーシームで計測した98.2マイル(158.0キロ)

・コントロール C65四球

BB/9(与四球率)3.06、死球3、暴投5。コントロール自体は悪くなかったが、際どいコースを狙い過ぎた形での四球が多かった印象。スミスのフレーミング(Flaming -10)も影響しているかもしれない。

・スタミナ B79回復C

30先発で173.2イニング、平均投球回5.79。ドジャースが6人ローテを採用している事もあり回復はCに留めた。

・ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合7.5%、被打率.244。対右打者用の球種。

・カットボール2

カッター。投球割合11.0%、被打率.235。

・ドロップカーブ5

カーブ。投球割合17.6%、被打率.195。

・SFF5

スプリット。投球割合25.4%、被打率.136。

左側が2024年、右側が2025年のスプリットのMovement Profile。

25年のスプリットは24年と比較してシュート方向への変化量が大きくなり、縦変化量も若干アップ。この進化したスプリットが被打率.136、Whiff% 42.1%、Launch Angle -8、Run Value +9を記録するなど大きな武器となった。

対ピンチE

被打率.183、得点圏被打率.204

打たれ強さC

LOB%(残塁率)78.5%

ノビC

フォーシーム被打率.194、Whiff% 19.1%、SwStr% 7.0%。緩急○の採用もありCに留める形に。

クイックC

173.2イニングで被盗塁7、CS%(盗塁阻止率)41.7%

キレ○

変化球(カッター、カーブ、スプリット)合計被打率.172

奪三振

K/9(奪三振率)10.42

リリース◯

左側が球種別のアームアングル、右側がカーブを除いた5球種のリリースポイント

球種別のアームアングルは最も高いカーブが50°、最も低いスプリットとカッターが41°。ただカーブを除く5球種のアームアングルは41°〜43°とほぼ同じで、リリースポイントにもばらつきは見られない。またピッチトンネルの活用もハイレベル。

打球反応◯、守備力 B71

25年は守備機会45で刺殺24(MLB1位)、補殺20、エラー1を記録。rPMは+1に留まったがDRS+3を記録している。

低め◯

左側がコース別被打率、右側がスプリットのピッチングヒートマップ(投球分布図)

コース別被打率を見ての通りゾーン内低めの被打率は全て被打率(.183)を下回っている。特にスプリットは右打者の膝元、左打者のアウトローへしっかりと集められていた。

緩急◯

山本のカーブは平均76.8マイル(123.6キロ)と遅め。他の球種がほぼ140キロ以上と速い中、この緩いカーブを織り交ぜて上手くタイミングを外していた。

内角攻め

左側が左打者へ投じたカットボールのヒートマップ、右側が右打者へ投じたシンカーのヒートマップ

上のヒートマップの通り左打者へのカッター、右打者へのシンカーは共にインコースに集まっており、必要に応じて左右を問わずインコースを意識させていた。

球速安定

フォーシーム平均球速95.4マイル(153.5キロ)

ゴロピッチャー

GB%(ゴロ率)53.7%、GB/FB 1.69

負け運

勝率.600、RS/G 3.27(ドジャースの1試合平均得点は5.09)

対ランナー

ランナー1塁時被打率.255(被打数98)、1.3塁時被打率.235(被打数17)

人気者

ワールドシリーズでは第2戦、第6戦に先発した上で18イニングの死闘となった第3戦では19回に向けてブルペンで準備、更に第7戦では9回のピンチから登板し勝利投手になるなど異次元の活躍を見せワールドシリーズMVPに。MLB有数のスターターと言える存在となった。

変化球中心

山本由伸の2025年Pitch Usage(投球割合)。vs. LHHが対左打者、vs. RHHが対右打者。

投球割合の内フォーシームは35.6%、シンカーは7.5%と速球は少なめ。近年は左右で異なる球種を投げ分けるピッチャーも多い中、山本はシンカー以外の球種を左右関係なく投げている。これも地味に凄い。

 

ひとこと

山本半端ないって。

実はワールドシリーズ第2戦の日に投稿しようかと考えていたのですが、第2戦での活躍を見て「次の登板次第ではMVPもあるのでは…?」と思って見送っていましたが、まさか先発した翌日にも登板して勝利投手になり3戦3勝でワールドシリーズMVPになるとは…!今日までとっておいて大正解でした!

シーズンオフに行われるサイ・ヤング賞投票での得票も確実であり、来シーズン以降は日本人史上初のサイ・ヤング賞受賞へ大きな期待がかかります!

 

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エメット・シーアン(2025) Emmet Sheehan パワプロ再現選手・パワナンバー

高スピンのフォーシームを武器にWHIP0.97を記録した若手右腕

・2025年成績

15試合 73.1イニング 6勝3敗 0ホールド 0セーブ 防御率2.82 奪三振89 WHIP0.97 fWAR2.1 rWAR1.0

パワナンバー:10100 71492 95679

 

シーアンの2025年Statcastパーセンタイルランキング。浮き上がる様なフォーシームとスライダー、チェンジアップのコンビネーションでトップクラスのChase%(ボール球スイング率)、Whiff%(空振率)、K%(三振率)を記録。xERA(予想防御率)、xBA(予想被打率)もかなり優秀。

シーアンの2025年Pitch Movement Profile。フォーシームは回転数が多く変化方向も1:00方向とシュートライズ気味。割合は少ないがカーブの変化量も平均以上。

トミー・ジョン手術による24年シーズン全休からの復帰を果たし、高スピンのフォーシームとスライダー、25年のスプリングトレーニングで習得したキックチェンジで空振りと三振を量産した若手右腕。

2021年にドラフト6巡目(全体192位)でドジャースから指名されプロ入り。

2023年6月にAAから直接メジャーに昇格しデビューを果たすと、初登板で6イニングを無安打無失点と完璧なピッチングを見せたが、最終的に13試合で4勝1敗、防御率4.92とメジャーの洗礼を浴びた。

2024年シーズン開幕直前の3月に右前腕部の炎症によりIL入りし5月にトミー・ジョン手術を受ける事となり24年はシーズンを全休している。

2025年のスプリングトレーニングではランドン・ナックらと共にキックチェンジ*1を習得。

5月にマイナーで復帰すると6月18日のパドレス戦で620日ぶりにMLBでの登板を果たす。7月から MLBに定着し8月以降は先発ローテの一角を担う様になり、9月には25.1イニングで防御率1.42を記録するなど山本由伸、大谷翔平、スネル、グラスナウに次ぐ先発として存在感を見せ、シーズンでのChase%(ボール球スイング率)、Whiff%(空振率)、K%(三振率)は全てMLB上位10%以内とハイレベルなピッチングを披露。メジャー2年目のシーズンを来シーズン以降の更なる飛躍が楽しみになる内容で終えている。

www.mlb.com

シーアンはトミー・ジョン手術をきっかけにピッチングメカニクスや配球を見直し「正しい投げ方」を学ぶことが出来たとの事。この時にシーアンとミーティングを重ねていたピッチング・ディレクターが佐々木朗希とのミーティングで話題になったロブ・ヒルその人。凄い。(どちらも英語の記事なので翻訳の使用がおすすめ。めちゃくちゃタメになります)

www.espn.com

 

査定

・球速 158km/h

25年の最速は98.3マイル(158.2キロ)

・コントロール C62

BB/9(与四球率)2.70、死球2、暴投2。イニング数が少ないのでやや控えめに。

・スタミナ D59

15試合で73.1イニング、平均投球回4.89。先発した12試合では平均4.97回。トミー・ジョン手術からの復帰明けという事もあり慎重に起用された?

・スライダー4

スライダー。投球割合30.4%、被打率.162。対右打者のメインウェポンとして被長打率.212、Whiff% 43.6%を記録、Run Valueも+11と上手く機能した。

・カーブ1

カーブ。投球割合6.1%、被打率.1.000(被打数1)。平均77.9マイル(125.4キロ)と遅めなのでカーブを採用、変化量は縦横共に平均以上だが割合がかなり少ないので変化量は1に。

・Hシンカー4

チェンジアップ。投球割合16.7%、被打率.146。対左打者のメインウェポン。

左側が2023年、右側が2025年のチェンジアップのMovement Profile

23年は一般的なチェンジアップを投げていたが、25年のスプリングトレーニングにてキックチェンジを習得。平均球速が82.9マイル(133.4キロ)から86.2マイル(138.7キロ)へアップ、縦変化量も平均を大きく上回る様になるなど進化したチェンジアップも大きな武器となった。

対ピンチE

被打率.184、得点圏被打率.233

対左打者C

対右被打率.196、対左被打率.165

ケガしにくさ

24年3月に右前腕部の炎症によりIL入りしその後トミー・ジョン手術を受け25年6月に復帰。

ノビB

フォーシーム被打率.214、Whiff% 26.5、SwStr% 12.8

キレ○

変化球(スライダー、カーブ、チェンジアップ)合計被打率.162

奪三振

K/9(奪三振率)10.92、15.79(MiLB)

リリース○

左側が球種別アームアングル、右側がフォーシーム、スライダー、チェンジアップのリリースポイント

球種別アームアングルは最も高いカーブが39°、最も低いスライダーとチェンジアップが33°と差が少なく、割合が少なかったカーブを除いた3球種のリリースポイントもかなりまとまっている。

球持ち○

Extension*2 6.7(MLB上位27%)

フライボールピッチャー

Air%*3 66.3%、GB/FB 0.74

・走力 E44

60ヤード走 7.17秒(2015/12/28)、50m走換算 6.53秒

投球位置右

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたドジャースのエメット・シーアン(2025ver.)でした!

シーアンは内旋を利用してチェンジアップを投げていた様ですが、トミー・ジョン手術後のリハビリの過程で内旋を必要としないキックチェンジを試しかなり気に入ったとの事。

デビン・ウィリアムズの記事でも触れましたが、内旋や外旋の得意は人それぞれであり、自分に合ったフォームや球種を投げる事は自分の身体を守るという意味でも重要なのだと感じさせられます。そういった意味でもキックチェンジは革命を起こす球種となり得るのかもしれません。

 

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*1:縦変化の大きいチェンジアップを投げるには腕や手首の内旋(内側に捻る動作)や低いアームアングルで回転軸や変化方向を3時方向より下に押し下げなければならないが、キックチェンジはそれらを必要とせずに3時方向以下の回転軸とシーム・シフト・ウェイク(縫い目の力)により大きな縦変化を実現する新たなチェンジアップ。

*2:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

*3:一言で言えばゴロ(GB)以外の打球の割合。FB%(フライ率)+LD%(ラインドライブ率)+PU%(ポップアップ率)で算出される。

ウィル・クライン(2025) Will Klein パワプロ再現選手・パワナンバー

半年で2度のDFAを経て一夜にしてヒーローとなった剛腕リリーフ

・2025年成績

 MLB 14試合 15.1イニング 1勝1敗 1ホールド 0セーブ 防御率2.35 奪三振21 WHIP1.57 fWAR0.3 rWAR0.2

AAA 42試合 44.0イニング 3勝3敗 6ホールド 4セーブ 防御率6.14 奪三振76 WHIP1.75

パワナンバー10600 21472 82989

 

クラインの2025年Statcastパーセンタイルランキング。フォーシームの平均球速は97.9マイル(157.6キロ)でMLB上位7%の数値。K%(三振率)もトップクラスと高い奪三振能力を見せた一方、BB%(四球率)はワーストクラスと制球面には大きな課題が。

クラインの2025年Pitch Movement Profile。53°と高いアームアングルから投げられるフォーシームは変化方向が12:45(時計の針に例えて)、Active Spin %*1も99%とバックスピン成分が強い。カーブも平均85.7マイル(137.9キロ)と高速で曲がり落ちる。

昨年メジャーデビューを果たすも今年に入ってから1月と5月に2度DFAに、6月にトレードでドジャースは加入しワールドシリーズ第3戦で4イニング無失点の熱投を見せ一夜にしてヒーローとなった剛腕リリーバー。

2020年にドラフト5巡目(全体135位)でロイヤルズから指名されプロ入りし2024年4月にメジャーデビュー。

24年7月にルーカス・アーセグのトレード相手の1人としてアスレティックスへ移籍。このシーズンはロイヤルズとアスレティックスで計8試合に登板するも防御率11.05という結果に。

25年1月にアスレティックスがホセ・ルクラークを獲得した事に伴いDFAとなり、マリナーズへトレードで移籍。しかしマリナーズ傘下のAAAでも22試合で防御率7.17と苦しみ5月末に2度目のDFAに。

25年6月にトレードでドジャースへ移籍。移籍後は限られた機会で防御率2.35、奪三振率12.33とアピールしワールドシリーズロスター入りを果たす。18回までもつれる死闘となった第3戦では最後のリリーフとして登板し4イニングを無失点に抑える魂のピッチングでドジャースの勝利に大きく貢献。試合後に500件、翌朝にも500件のメッセージが届くなど一夜にして目立たぬ存在からヒーローになった。


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査定

・球速 163km/h

25年の最速はAAAで計測した101.3マイル(163.0キロ)。 MLBでの最速は100.6マイル(161.9キロ)。

・コントロール F32四球

MLB:BB/9(与四球率)5.87、死球2、暴投0

AAA:BB/9 7.36、死球3、暴投10

四球を考慮してやや高めに。

・スタミナ E46

平均投球回1.10(MLB)、マイナーも含めて試合数をイニング数が上回っているシーズンがほとんど。

カットボール2

カッター。投球割合16.4%、被打率.583(被打数12)。MLBでは打ち込まれRun Value -3を記録した一方、AAAでは被打率.182(被打数11)と悪くない数字に。

・パワーカーブ4

カーブ。投球割合22.0%、被打率.059(被打数17)。Exit Velocity(平均打球速度)79.4マイル、Launch Angle -1と弱い打球やゴロを量産しRun Valueも+3を記録した。平均85.7マイル(137.9キロ)と速いのでパワーカーブを採用。

対左打者B

MLB:対右被打率.364、対左被打率.171

AAA:対右被打率.293、対左被打率.202

ノビC

フォーシーム被打率.222(被打数27)、Whiff% 27.0、SwStr% 11.4

奪三振

K/9(奪三振率)12.33、15.55(AAA)

打球反応○

れ球

25年のAAAでは44.0イニングでBB/9 7.36、10暴投を記録。とにかく球威で捩じ伏せる。

・捕球 F35送球E

マイナー5シーズンでの通算守備率は.907とエラーも多め。

 

ひとこと

ワールドシリーズ第3戦は18イニングに渡り両チームプルペンを総動員する文字通りの死闘となりましたが、最後のリリーフとして4イニングを無失点で投げ切りフリーマンのサヨナラHRを呼び込んだクラインはまさに大谷、フリーマンと並ぶMVPでした!

査定でも回またぎや根性○を採用しようか悩みましたが、成績的にAAAでもビハインドでの登板が少なくなさそうな事や根性○は公式査定では滅多に見かけない事から見送る事に。

 

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*1:ボールの変化に影響を与える回転の割合。100%だと全ての回転が変化に影響を与えている=最高効率で変化させられているという事になる

タイラー・グラスナウ(2025) Tyler Glasnow パワプロ再現選手・パワナンバー

サイ・ヤング賞級の能力を誇るも耐久性が玉に瑕な“王子”

・2025年成績

18試合 90.1イニング 4勝3敗 防御率3.19 奪三振106 WHIP1.10 fWAR1.6 rWAR1.9

パワナンバー10000 51492 48074

 

グラスナウの2025年Statcastパーセンタイルランキング。MLB屈指のExtension 7.6に加えxBA(予想被打率).209は上位11%、K%(三振率)29.0%は上位14%と実力は間違いない。ただBB%(四球率)は下位7%と制球で苦しみChase%(ボール球スイング率)も下位1%という結果に。

グラスナウの2025年Pitch Movement Profile。アームアングル56°と真上から投げ下ろす事もあり、どの球種も横変化量は小さく縦変化量が大きめ。高低差で勝負していたが今シーズンはシンカーの割合が大きく増加した。

身長203cmという長身に両親譲りの類稀な運動能力、長髪がよく似合いダルビッシュが惚れ込む程のハンサムな容姿を備えるも、毎シーズン怪我に悩まされ続けているドジャースの“王子”。

2011年にドラフト5巡目(全体152位)でパイレーツから指名されプロ入り、2016年にメジャーデビュー。

2018年7月にクリス・アーチャーとのトレードでシェーン・バズ(後日発表)らと共にレイズへ移籍。移籍後すぐに先発ローテに定着し2019年には12試合で防御率1.78を記録するなど実力を示すも、怪我に悩まされ続け2021年6月には右肘の靱帯を部分断裂、8月にトミー・ジョン手術を受けている。

2023年12月にライアン・ペピオ。ジョニー・デルカというプロスペクトとのトレードでドジャースへ移籍。移籍と同時にドジャースと5年1億3650万ドルで契約を延長している。

2024年はドジャース先発陣に離脱者が相次ぐ中開幕から孤軍奮闘、共にキャリアハイの22先発で134.0イニングを投げ9勝6敗、防御率3.49、WHIP0.95を記録したものの8月に右肘の違和感によりIL入り、9月に違和感が再発しシーズン中の復帰は叶わず世界一の瞬間をベンチから見届ける事となった。

2025年は4月末に右肩の炎症によりIL入りし2ヶ月以上の離脱するなどまたも規定投球回到達はならず。7月の復帰後はグラスナウらしいピッチングを見せ最終的に18先発で90.1イニングを投げ4勝3敗、防御率3.19を記録。

ドジャースワールドシリーズ連覇へ、そして昨年の世界一を見届けるしかなかった悔しさを晴らす為に、人一倍の懸ける思いでポストシーズンへ挑む。

 

査定

・球速 160km/h

25年の最速はフォーシームで計測した99.6マイル(160.6キロ)

・コントロール D58四球

BB/9(与四球率)4.28、死球3、暴投5。23年、24年と2シーズン連続でBB/9は2点台を記録していたが今シーズンは大きく悪化。

・スタミナ B74

18先発で90.1イニング、平均投球回5.01

ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合20.6%、被打率.210。複数種のファストボールを投げ分けるというトレンドに乗り、シンカーの割合は昨シーズンの8.5%から大きく増加。グラスナウにとってはスライダー、カーブとは反対側へ動く球種を増やせたというメリットもありそう。

・ドロップカーブ5

カーブ。投球割合21.9%、被打率.104。横変化量は平均以下ながらも平均を大きく上回る縦変化量を誇る。平均82.0マイル(132.0キロ)と球速も速く、Whiff% 44.6%を記録するなど空振りを量産した。

Vスライダー4

スライダー。投球割合22.1%、被打率.188。平均89.3マイル(143.7キロ)と高速で曲がり落ちる。元々スライダーは投げられなかった*1そうだが、ダルビッシュから握りなどのアドバイスを貰い投げられる様になったとか。

対ピンチC

被打率.175、得点圏被打率.148

ケガしにくさF

デビュー以降1度も規定投球回への到達が無いという耐久性が唯一にして最大の欠点。今シーズンは4月に足の痙攣を、翌週に右肩の炎症でIL入りし7月に復帰。大事には至らなかったが9月にも背中を痛めている。

ノビB

フォーシーム被打率.204、Whiff% 18.8、SwStr% 7.3

クイックE

90.1イニングで被盗塁10、CS%(盗塁阻止率)0.0%。クイックはやったらやらなかったりで、ガッツリ足を上げる場合もあれば少しだけ足を上げてクイックをする場面も。モーション自体はそこまで遅くなさそう。

キレ○

変化球(スライダー、カーブ)合計被打率.142

奪三振

K/9(奪三振率)11.28

球持ち◯

Extension*2 7.6(MLB上位1%)。25年にMLBで1000球以上を投げた投手の中では、ローガン・ギルバート(マリナーズ)に次いでMLB2位というExtensionもグラスナウの大きな武器。因みに3位はブルワーズの“怪物”ジェイコブ・ミゾロウスキー

・走力 C67盗塁E

ポジション柄数少ないSprint Speedでは28.6を記録。本人も「代走で出してくれ!」というジョークを口にしていた辺り自信を持っていそう。走力Cなので公式査定にならって投手補正で盗塁Eに。

www.espn.com

グラスナウの優れた身体能力に関するエピソードは上のESPNの記事や当ブログの2024年ver.で詳しく記載しているのでそちらをどうぞ!

 

ひとこと

実力は疑いの余地が無いレベルなだけにとにかく健康体でシーズンを過ごして欲しい選手です。果たしてグラスナウは地元ロサンゼルスで迎える念願のワールドシリーズの舞台でどんなピッチングを見せてくれるのでしょうか。

「Glasnow」の英語での発音に則り今回も「グラスナウ」表記を採用しています。

 

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*1:2018年には10.2%の割合で投げているがそれ以外のシーズンでは1球も投げておらず、2021年から本格的に投げる様になっている

*2:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

ブレイク・スネル(2025) Blake Snell パワプロ再現選手・パワナンバー

左肩の炎症に悩むも復帰後は本領を発揮した“Snellzilla”

・2025年成績

11試合 61.1イニング 3勝0敗 防御率2.35 奪三振72 WHIP1.26 fWAR1.9 rWAR1.3

パワナンバー10400 91421 98029

 

スネルの2025年Statcastパーセンタイルランキング。Whiff%(空振率)、K%(三振率)、Chase%(ボール球スイング率)から見てとれる球威の高さに加え打球管理もハイレベル。チェンジアップを中心に弱いコンタクトを量産し高いGB%(ゴロ率)を記録した。

スネルの2025年Pitch Movement Profile。56°と高いアームアングルと優れたExtension*1から高スピンのフォーシームとハイレベルな変化球を投げ込む。カーブは年々横変化量増、縦変化量減の傾向が。

怪我は多いものの規定投球回に到達した2018年・2023年に2度サイ・ヤング賞を受賞、MLB歴代最高のキャリア通算奪三振率11.19を誇り、昨オフに5年1億8200万ドルの大型契約でドジャースの一員となったサウスポー。

2016年にレイズでメジャーデビューを果たすと、2018年に31試合で21勝5敗、防御率1.89、WHIP0.97を記録し大ブレイク。最多勝最優秀防御率に輝き、サイ・ヤング賞も受賞。防御率1.89はDH制を取り入れた1973年以降のア・リーグでは歴代3位の記録となっている。

2019年3月にレイズと5年5000万ドルの契約を結ぶも、以降は怪我に悩まされ規定投球回に届かないシーズンが多くなる事に。

2020年12月にトレードでパドレスへ移籍。18年以来となる規定投球回到達を達成した2023年にはキャリア最多の32試合に先発し14勝9敗、防御率2.25、234奪三振を記録し再び最優秀防御率に加え自身2度目のサイ・ヤング賞を受賞。因みにこのシーズンはMLB最多の99四球を記録している。

オフにFAとなり2024年3月にジャイアンツと2年6200万ドルで契約。開幕直前の契約となった影響で調整不足のままシーズンを迎えたが、徐々に復調し8月2日のレッズ戦では自身初のノーヒッターを達成、後半戦は防御率1.45で終えている。

オフにオプトアウト権を行使しFAとなり、24年11月にドジャースと5年1億8200万ドルで契約。しかし開幕後2試合に先発した後左肩の炎症でIL入り。8月2日に復帰して以降は52.1イニングで防御率2.41、WHIP1.13とサイ・ヤング賞2度受賞の実力を見せ山本由伸、大谷翔平、グラスナウと共にチームを牽引したが怪我に悩まされたシーズンとなった。

 

査定

・球速 158km/h

25年の最速はフォーシームで計測した98.4マイル(158.4キロ)

・コントロール D50四球

BB/9(与四球率)3.82、死球0、暴投7

・スタミナ B75

11先発で61.1イニング、平均投球回5.63

・Hスライダー3

スライダー。投球割合11.1%、被打率.235。対左打者ではフォーシームに次いで投球割合が多い対左のメインウェポン。平均88.2マイル(141.9キロ)と速めなのでHスライダーを採用。

・カーブ5

カーブ。投球割合21.7%、被打率.173。スネルの代名詞。平均以上の横変化量を誇りWhiff% 45.7%を記録した一方、昨シーズンよりも縦変化量は減少している。

・チェンジアップ4(オリジナル変化球)

チェンジアップ。投球割合23.6%、被打率.153。今シーズンのチェンジアップは被打率に加え被長打率.203、Whiff% 43.5%、Launch Angle -6と優れた数字を記録。投球割合も昨シーズンより増加しRun Value +8と猛威を振るった。

ケガしにくさF回復C

今シーズンは4月2日のブレーブス戦以降左肩の炎症でIL入りし4ヶ月離脱。今シーズンも規定投球回到達とはならなかった。スネルは「日本に行ってからずっと痛みを感じた状態でキャッチボールをしていたが、そのうち引くのではと思ってしまった」と後悔を語っている。

ノビE

フォーシーム被打率.309、Whiff% 22.1%、SwStr% 8.3%。スピン量が2400を超えるフォーシームもスネルの武器だが、今シーズンは被打率が1割以上悪化。Run Valueも昨シーズンの+9から±0となってしまった。

クイックF

61.1イニングで被盗塁6、CS%(盗塁阻止率)45.5%。ランナーが居ても足を上げて投げる事が多い。

キレ○

変化球(スライダー、カーブ、チェンジアップ)合計被打率.172

奪三振

K%(奪三振率)12.55

リリース○

左側が2025年球種別アームアングル、右側がリリースポイント

61.1イニングのみの消化なので球数も少ないが、リリースポイントもある程度まとまっておりアームアングルも最も高いカーブが59°、最も低いチェンジアップが53°と差は少ない。

球持ち○

Extension 6.8(MLB上位21%)

ゴロピッチャー

GB%(ゴロ率)50.6%、GB/FB 1.78

 

ひとこと

当初はワールドシリーズ終了後からドジャースの選手の記事を投稿していく予定でしたが、「乗るしかない!このビッグウェーブに!」という事で急遽作成しました。(要するにアクセス数を稼ぎたい)

スネルと言えばカーブのイメージでしたが、今シーズンに限れば面白い様に空振りを奪えるチェンジアップがかなり良かった印象です。来シーズンこそ規定投球回に到達してくれれば大きな戦力となる事は間違いないでしょう。

 

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*1:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

ブライアン・ウー(2025) Bryan Woo パワプロ再現選手・パワナンバー

卓越した制球力で2種類の速球を投げ分けるマリナーズの勝ち頭

・2025年成績

30試合 186.2イニング 15勝7敗 防御率2.94 奪三振198 WHIP0.93 fWAR3.6 rWAR4.3

・2025年タイトルなど

オールスター

パワナンバー10300 51471 40822

 

ウーの2025年Statcastパーセンタイルランキング。MLB上位6%のBB%(四球率)4.9という抜群の制球力でフォーシームとシンカーを投げ分けFastball Run Value +30を記録。K%(三振率)も高く安定したゲームメイクを見せた。

ウーの2025年Pitch Movement Profile。フォーシームとシンカーは平均球速に差がなく、右打者へはシンカーとスイーパー、左打者へはフォーシームとチェンジアップを中心に攻める。フォーシームも25度という低めのアームアングルの割にホップ成分が強め?

27°と低いアームアングルとリリースポイントからフォーシームとシンカーを中心に投げ、MLBトップクラスの制球力でゲームを作り15勝を挙げたマリナーズを牽引した新たなエース候補。

2021年にドラフト6巡目(全体174位)でマリナーズから指名されプロ入り。

2023年6月ににAAからAAAを経由せずにメジャーデビュー。2イニング6失点とほろ苦いデビュー戦となったが以降は持ち直し18試合で4勝5敗防御率4.21、WHIP1.21を記録した。

2024年は右肘の炎症により出遅れ、6月にはハムストリングの張りで再びIL入りする事に。しかし抜群の制球力を武器に好投を続け22試合で9勝3敗、防御率2.89、WHIP0.90を記録。特にBB/9(与四球率)0.96、BB%(四球率)2.8%(MLB上位1%)と並外れた制球力を見せた。

2025年は開幕から安定したピッチングを見せ続け自身初のオールスターゲームにも選出、更に開幕から25試合連続で6イニング以上を投げマリナーズの球団記録を更新。9月中盤に胸筋の負傷によりIL入り、そのままレギュラーシーズン終了となったが30試合で186.2イニングを投げ15勝7敗、防御率2.94、WHIP0.93を記録し24年ぶりとなるマリナーズの地区優勝に大きく貢献した。

ALDSではロスターから外れ、ブルージェイズとのALCS第5戦でポストシーズン初登板。そして負ければ終わりの第7戦に2番手として登板するも2.1イニングで被安打2、2四球と苦しみブルージェイズが逆転するきっかけを作ってしまった。この悔しさをバネに来シーズンの更なる飛躍を目指す。

ウーは容姿や名前の通り中国・台湾にルーツを持つと思われるが、調べてみても中国系の3世という情報もあればハーフという情報もあり詳細は不明。

 

査定

・球速 158km/h

25年の最速はフォーシームで計測した98.7マイル(158.8キロ)

・コントロール A85

BB/9(与四球率)1.74、死球4、暴投3

・スタミナ A81

30先発で186.2イニング、平均投球回6.22

・スライダー4

スイーパー兼スライダー。スイーパーは投球割合9.9%、被打率.186。スライダーは投球割合10.1%、被打率.192。スイーパーは75%以上が右打者への投球だったがスライダーの投球割合に左右差はほぼ無い。球速や被打率などが近く、4球種を避ける為にもまとめる事に。

・シンカー4 (オリジナル変化球)

シンカー(ツーシーム)。投球割合25.6%、被打率.258。フォーシームが平均95.7マイル(154.0キロ)に対し、シンカーは平均95.4マイル(153.5キロ)とほぼ同じ球速で投げ分ける。この様にフォーシームやシンカー、カッターの様な複数種のファストボールを投げ分けるというトレンドを上手く取り入れたか。

・Hシンカー2

チェンジアップ。投球割合7.1%、被打率.235。全193球の内177球を左打者へ投じた対左用の球種。平均89.6マイル(144.2キロ)とかなり速めなのでHシンカーで代用。

対ピンチC

被打率.198、得点圏被打率.178

打たれ強さC

LOB%(残塁率)80.4%

ケガしにくさE回復C

24年は右肘の炎症で出遅れ、6月にハムストリングの張りでIL入り。25年は開幕から離脱なくローテを守り続けていたが、9月に胸筋の負傷によりIL入りしシーズンを終える事に。ポストシーズンにはギリギリ間に合ったが…

ノビA

フォーシーム被打率.153、Whiff% 28.8%、SwStr% 14.2%。平均2296回転とスピン量は平均的だが、同じ球速で動くシンカーと投げ分けた事もありRun Value +21を記録した。

キレ○

変化球(スイーパー、スライダー、チェンジアップ)合計被打率.201

奪三振

K/9(奪三振率)9.55

リリース○

左側が2025年のリリースポイント、右側が球種別アームアングル

リリースポイントもまとまっており、球種別のアームアングルは最も高いスライダーが27°、最も低いチェンジアップが24°とほぼ同じ腕の振りで5球種を投げ分ける。これはリリース○をつけるしかない。

一発

HR/9(被本塁打率)1.25

スロースターター

初回防御率5.10、被OPS.805

対ランナー×

ランナー1塁時被打率.292、ランナー1.3塁時被打率.167(被打数12)

・走力 F36

60ヤード走 7.65秒、50m走換算 6.97秒

投球位置右

・テンポ○

Pitch Tempo*1 18.3、Fast% 1.7%、Slow% 0.5%(ランナー無し)。Pitch Tempoが平均以下なので不採用に。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたマリナーズのブライアン・ウー(2025ver.)でした!

実はパワターの目をどうするかで悩み一先ずは4枚の画像の様に二重を強調する方向にしたのですが、次第に内川のパワターにしか見えなくなってきたので下の画像の様に変更しました。こっちの方が雰囲気は出ているはず。多分。

という事なので気になる方はこの画像を参考に各自で手直しして頂けると幸いです!

 

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*1:投球間隔。ボールをリリースしてから次のリリースまでのタイムの中央値。15秒以内で“Fast”、30秒以上で“Slow”にカウントされる。25年MLBの平均はランナー無しで15.8秒、ランナー有りで18.7秒。

ノーラン・マクリーン(2025) Nolan McLean パワプロ再現選手・パワナンバー

驚異のスピン量と変化量で打者を翻弄する元二刀流ルーキー

・2025年成績

8試合 48.0イニング 5勝1敗 防御率2.06 奪三振57 WHIP1.04 fWAR1.2 rWAR1.8

パワナンバー10100 11421 13805

 

マクリーンの2025年Statcastパーセンタイルランキング。自慢のシンカーとスイーパー、カーブのコンビネーションで優れたWhiff%(空振率)とK%(三振率)、GB%(ゴロ率)を記録。バットに当てるのも大変なので芯で捉えるのは更に難しい。

マクリーンの2025年Pitch Movement Profile。メインの球種であるシンカー、スイーパー、カーブはいずれも平均以上の変化量を誇り、平均で3248回転というカーブに至ってはスイーパーよりも大きな横変化量を見せ、これらの球種で大きく横幅を使って攻めてゴロを量産する。

大学でアメフトと野球、後に投打の“二刀流”として活躍。プロ入り後投手に専念して1年でメジャーデビューを果たすと衝撃的なピッチングで話題となった“スピンマスター”。

オクラホマ州立大学時代に1年生シーズンで投打の二刀流に加えアメリカンフットボールもプレー。2022年の2年生シーズンから野球に専念し奪三振率13.9、19HRの活躍を見せオリオールズから投手としてドラフト3巡目で指名を受けるも契約せず、翌年のドラフト3巡目でメッツから二刀流(Two-way player)として指名されプロ入りした。

2024年は6月まで二刀流としてプレーした後に投手に専念。翌年AAAで防御率2.78と結果を残し8月のマリナーズ戦でメジャーデビュー、5.1イニングを無失点で初勝利を飾ると3試合目のフィリーズ戦ではカイル・シュワーバーやブライス・ハーパー、トレイ・ターナーらを擁する強力打線を相手に8イニングを被安打4、無失点に抑える好投で3連勝を達成。最終的に8試合で48.0イニングを投げ5勝1敗、防御率2.06、WHIP1.04を記録し来シーズン以降の本格的なブレイクを大きく期待させるデビューシーズンとなった。


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査定

・球速 158km/h

25年の最速はフォーシームで計測した98.4マイル(158.4キロ)

・コントロール D51

BB/9(与四球率)3.00、死球2、暴投2

・スタミナ C64

平均投球回6.0(MLB)、5.41(AAA)

・スライダー4

スイーパー。投球割合25.7%、被打率.361。平均2929回転とかなりのスピン量により平均以上の横変化を見せるが、恐らくこのスイーパーを上回るカーブの存在故か被打率に加えWhiff%も20.3%と今一つ。Run Valueも-1を記録している。

・スラーブ5

カーブ。投球割合15.8、被打率.074。

左側がカーブのPitch Movement Profile、右側は2025年MLBにおけるカーブの回転数ランキング

平均3248回転(MLB*1 1位)というとんでもないスピン量を誇り、まさにパワプロの様な変化を見せる「ビデオゲームピッチ」。Whiff% 50.0%、Stuff+ も151という滅多に見ない数値でMLB1位*2に。非常に横変化量が大きいのでカーブ系ではなくスラーブの採用で再現を試みた。

とにかくとんでもないカーブであり「百聞は一見にしかず」なので是非その目で確かめて頂きたい。

・シンカー4 (オリジナル変化球)

シンカー(ツーシーム)。投球割合27.9%、被打率.193。スイーパーとの凶悪なコンビネーションでLaunch Angle -12°とゴロを量産。Whiff%も18.7%とシンカーにしては高くRun Value +4を記録した。

対ピンチE

被打率.200、得点圏被打率.233

対左打者C

対右被打率.225、対左被打率.178

打たれ強さC

LOB%(残塁率)84.1%(MLB)、78.2%(AAA)

ノビE

フォーシーム被打率.154、Whiff% 37.1%、SwStr% 13.1%。変化球中心にて後述する通り、投球割合はシンカーが27.9%に対しフォーシームが13.3%とシンカーがメインなのでノビEに。

奪三振

K%(奪三振率)10.69(MLB)、10.00(AAA)

打球反応○

流石は元二刀流、フィールディングもハイレベル。

ゴロピッチャー

GB%(ゴロ率)60.2%、GB/FB 2.46) 

・弾道3、パワー D52

前述の通り24年半ばまでマイナーで打席にも立っていた元二刀流。大学では503打席で36HR、OPS.957、マイナーでは146打席で9HR、OPS.713を記録している。

・走力 E48

60ヤード走 7.03秒、50m走換算6.41秒

変化球中心

マクリーンの2025年Pitch Usage(投球割合)

フォーシームの投球割合は僅か13.3%のみ。今回はシンカーをオリジナル変化球で再現した事もあり変化球中心を採用。

投球位置左

↑見ての通りプレートの三塁側を踏んで投げる。

 

ひとこと

個人的にマクリーンはブルワーズのジェイコブ・ミゾロウスキー(Jacob Misiorowski)と並び今シーズンのルーキーピッチャーの中で最も大きなインパクトを感じた選手です。

メッツはマクリーンに加え「ティム・リンスカム2世」と呼ばれるジョナー・トンもデビュー。横幅で勝負するマクリーン、高低差で攻めるトンと正反対のスタイルを持つプロスペクトが居るメッツも来シーズンがなかなか楽しみな存在です。千賀滉大の先発ローテの地位も安泰ではないのかも…?

マクリーンは変化量の大きさを再現したかったので特殊能力は最低限にしたつもりですが、若干やり過ぎた感も…

 

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*1:25年にMLBで100球以上投じた選手内で

*2:25年のMLBで投球割合の内カーブが5%以上を占めている選手内

キャム・シュリットラー(2025) Cam Schlittler パワプロ再現選手・パワナンバー

大一番で特大のインパクトを残したヤンキースの剛腕ルーキー

・2025年成績

14試合 73.0イニング 4勝3敗 防御率2.96 奪三振84 WHIP1.22 fWAR1.3 rWAR2.0

パワナンバー10400 71490 79532

 

シュリットラーの2025年Statcastパーセンタイルランキング。平均以上の球速とスピン量を誇るフォーシームを中心としたピッチングで好調時には相手打線を制圧。一方で打球管理は平均的、コントロールも課題となるなどシュリットラー自身の素材の良さで活躍した様な印象も。

シュリットラーの2025年Pitch Movement Profile。平均98.0マイル、2436回転というスピン量の多いフォーシームを中心にカッターやシンカーを交える。特にカッターは平均以上の球速ながら非常に横変化量が大きくMLBでも上位レベルのWhiff%(空振率)を記録している。

プロ入り後年々球威を向上させヤンキースのNo. 1ピッチングプロスペクトとして迎えた今シーズン遂にメジャーデビュー、勢いそのままローテに定着しALDS進出を賭けた大一番で圧倒的なピッチングを見せた剛腕ルーキー。

2022年にドラフト7巡目(全体220位)でヤンキースから指名されプロ入り。

2024年はA+で開幕を迎えAAAまで昇格するなど飛ぶ鳥を落とす勢いでのステップアップを見せ、2025年7月にクラーク・シュミットのトミー・ジョン手術に伴いメジャーデビュー。デビュー戦を5.1イニングで3失点、7奪三振の好投で飾るとそのまま先発ローテに定着し最終的に14試合で4勝3敗、防御率2.96を記録。シュリットラーが記録した最速100.6マイル(161.9キロ)はヤンキースの先発投手の中でシーズン最速となった。*1

更にポストシーズンワイルドカードシリーズ第3戦、負ければシーズン終了の大一番で先発を託されると8回を無失点、無四球、12奪三振という圧倒的なピッチングを見せヤンキースのALDS進出に大きく貢献、ルーキーとは思えない快投で特大のインパクトを残している。


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シュリットラーはフォーシーム、シンカー、カッターという複数のファストボールをMLBトップクラスの球速で投げ分ける。

質の高いフォーシームとシンカーを操るマイケル・キング(パドレス)がヤンキース時代にチームメイトだったDJ・ルメイユに「95マイル以上で変化が異なる直球を2種類も投げたら、打者がバットの軌道を球に合わせるのは不可能だ」と言われた事からも分かる通り、高速で異なる変化を見せる複数のファストボールは打者にとって非常に厄介であり、シュリットラーも「4種類の球種を混ぜているだけだが、すごく上手くいっている」と語る通りこのMLBの新たなトレンドとなりつつあるスタイルを取り入れる事で飛躍を遂げた。

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査定

・球速 161km/h

25年の最速はフォーシームで計測した100.6マイル(161.9キロ)。Baseball Savantで確認できる範囲ではこれがキャリア最速。

・コントロール E45四球

BB/9(与四球率)3.82、死球5、暴投3

・スタミナ C62

14先発で73.0イニング、平均投球回5.21

ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合7.2%、被打率.278。

カットボール5

カッター。投球割合20.8%、被打率.204。平均91.9マイル(147.9キロ)という球速で平均を大きく上回る横変化量を見せる代物。Stuff+*2 も121と高くWhiff% 27.3%(MLB34*3位)決め球としても機能した。

・ドロップカーブ3

カーブ。投球割合14.9%、被打率.275。こちらも83.3マイル(134.1キロ)と平均以上の球速と縦変化量を見せ、Stuff+も122と高水準。元々はこのカーブがメインの変化球だったとか。

打たれ強さB

LOB%(残塁率)84.5%

ノビB

フォーシーム被打率.178、Whiff% 27.8%、SwStr% 12.1%。平均2436回転とスピン量が多くRun Value +9を記録したシュリットラーの最大の武器。

・クイックD

73.0イニングで被盗塁10、CS%(盗塁阻止率)16.7%、rSB -1。まぁまぁ走られたがクイック自体はしっかりやっておりモーションも遅くはない。

奪三振

K/9(奪三振率)10.36。MiLBでもK/9 10.00オーバーは当たり前という高い奪三振能力を誇る。

球速安定

フォーシーム平均球速98.0マイル(157.7キロ)

れ球

MLBでは73.0イニングで死球5、暴投3を記録。24年のMiLB(マイナーリーグ)では120.2イニングで合計して死球8、暴投11という暴れっぷり。ただそれなりに改善傾向にある。

寸前

5回防御率5.25、被OPS.811

スロースターター

初回防御率6.43、被OPS.802

対ランナー×

ランナー1塁時被打率.277、ランナー1.3塁時被打率.250(被打数4)

投球位置右

 

ひとこと

今シーズンはジェイコブ・ミゾロウスキー(ブルワーズ)を筆頭にシュリットラー、チェイス・バーンズ(レッズ)、ノーラン・マクリーン&ジョナー・トン(メッツ)、トレイ・イェサベージ(ブルージェイズ)と先発のルーキーが豊富な印象のシーズンでした。とはいえ僕がここまで本格的にMLBをチェックする様になったのは今シーズンが初めてと言っても過言ではなかったので、単に今年が例年以上に豊富なシーズンだっただけかもしれません。

近年はテクノロジーの進化によりピッチングメカニズムや新たな変化球などの様々な情報が手軽に入手できる時代ですし、MLBNPB双方で見られる投高打低の流れも必然と言うべきなのでしょうか…?

 

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*1:ヤンキースの今シーズン最速は8月末にトレードで加入したカミロ・ドバルの101.2マイル(162.9キロ)。ドバルはカッターで記録しているのでこちらもなかなかにヤバい

*2:投球の質を物理的に評価する指標。球速、縦・横の変化量、スピン量、リリースポイント、Extension(球持ち。具体的にはどれだけホームベースの近くでリリースしているか)、Axis Differential(軸差。回転から予測される変化量と実際に計測された変化量の差。この差が大きい程打者は投球の軌道を予測しにくくなる)から算出される。平均は100で、数値が高い程投球の質が高くなる。

*3:25年にMLBでカッターを100球以上投じた選手の中での順位