charlewisのパワプロ×MLBブログ

もっとメジャーリーグの魅力を届けたい!と思い、現在のMLBで活躍しているメジャーリーガー達をメインにパワプロで選手を査定・再現し紹介しています。

グラント・ハートウィグ(2025MiLB) Grant Hartwig パワプロ再現選手・パワナンバー

元医者志望だった平均150km/hを超えるシンカーが売りの新助っ人

・2025年成績(AAA)

21試合 23.2イニング 2勝3敗 1ホールド 2セーブ 防御率3.42 奪三振33 WHIP1.56

パワナンバー10200 91132 92892

 

ハートウィグの2024年Statcastパーセンタイルランキング。シンカーとスイーパーのコンビネーションでバットの芯を外して強い打球を打たせなかった一方、四球率(BB%)の高さやバレル率(Barrel%)、ゴロ率(GB%)の悪さもあり防御率は振るわなかった。

ハートウィグの2024年Pitch Movement Profile。14°と低いアームアングル故かシンカーとスイーパーの縦変化量の差がほとんど無く、この2球種で横幅を広く使って組み立てる。

先日契約が発表され阪神のリリーフ陣にさらなる厚みをもたらすべく加わった、現在のNPBではペルドモに続きセ・リーグでは唯一(恐らく)となる正真正銘のシンカーボーラー。

ハートウィグは大学時代にドラフトでの指名が無く、2021年にアマチュアFAでメッツと契約してプロ入りを果たした苦労人。21年にプロデビューを果たし2022年にはAからAAAまで昇格、マイナー合計での39登板で防御率1.75と結果を残すと2023年6月にメジャーデビュー、28登板で5勝2敗、2ホールド、防御率4.84を記録した。

しかし2024年のメジャーでは4登板に留まりシーズンの殆どをマイナーで過ごし、2025年もAAAでの登板が続いていた中6月27日にリリースされ、7月14日に阪神タイガースとの契約が発表された。

ハートウィグの最大の特徴はフォーシームを殆ど投げずシンカー(ツーシーム)をメインに投げるシンカーボーラーである事。25年の最速は97.0マイル(156.1キロ)と特別速くはないが、平均94.6マイル(152.2キロ、24年MLB)のシンカーは日本では十分に武器になりそう。またメインの変化球であるスイーパーもMLB通算被打率.150とハイレベル。基本的にはこの2球種のコンビネーションで横幅を広く使いつつ、左打者にはカッターを交える。

MLBでの通算奪三振率は7.29とやや物足りない一方、今シーズンはAAAで奪三振率12.55を記録しておりNPBなら奪三振を量産出来るかもしれない。

懸念点としてはBB/9(与四球率)がMLB通算で4.1、マイナー通算でも4.3という制球面と、ランナーを置いた場面で被打率が悪化していた事。またマイナー通算守備率.861というフィールディングも気になるところ。

ハートウィグの2025年AAAでの球種別投球割合

ちなみに今シーズンはシンカー割合が50.1%、スイーパーが38.1%とほぼツーピッチに。またフォーシームは1球も投げていない。

ハートウィグはオハイオ州マイアミ大学時代の2018年にトミー・ジョン手術を受けており、その手術と回復の経験から医学に興味を持ち微生物学と医学部進学予備課程の学位を取得、心臓血管クリニックで助手として働いていたが、後にアマチュアFAでメッツと契約している。 当時のインタビューで「整形外科医になって野球に関わりたかった、トミー・ジョン手術や関節の手術をして選手のキャリアを救い、怪我から復帰できるようにしたかった」と語っていたとの事。

 

査定

・球速 156km/h

25年の最速はシンカーで計測した97.0マイル(156.1キロ)

・コントロール E45、四球

BB/9(与四球率)3.80(25年AAA)、死球2、暴投0。

新外国人投手の公式査定における四球の基準はかなり分かりにくく、四球持ち新外国人投手のBB/9を眺めても傾向が掴めなかった。ハートウィグはMLB、AAA共に通算BB/9が4を超えている事からとりあえず四球を採用。

・スタミナ E47

平均投球回1.13(25年AAA)。キャリアを見ても登板数<イニングのシーズンが殆ど。

ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合34.7%、被打率.250(被打数12、24年MLB)。Movement Profileを見ると縦変化量が大きいシンカーに見えるが、低いアームアングルを考慮するとむしろ平均よりもシュートライズ気味のシンカーとすら言えそう。球速とシュートライズ気味という事からツーシームファストを採用。

ハートウィグのシンカー平均変化量とアームアングルを重ね合わせた物(SavantのMovement Profileにてアームアングルの部分をタップorクリックすれば簡単に出来ます)。

・スライダー5

スイーパー。投球割合33.1%、被打率.167(被打数6、24年MLB)。被打率はMLB通算でも.150と優秀で、Whiff%も23年は37.5%、24年は46.2%とこちらも優秀。25年AAAでの投球割合も含め変化量5に。

カットボール1

カッター。投球割合21.2%、被打率.250(被打数4、24年MLB)。23年は76.8%が、24年は68%が左打者に投じられているほぼ対左用の球種。ただ今シーズンのAAAでの割合は6.8%とかなり減少している事から変化量1に。

対左打者F

対右被打率.231、対左被打率.313(25年AAA)。MLB通算では対右被打率.292、対左被打率.164だが、BB/9は対右で3.04に対し対左では5.87とかなり悪化しており左打者の方が苦手なのは間違いなさそう。

因みに公式で対左打者Fを持っているニック・ネルソン(阪神)は24年のMLB&AAAで対右.234、対左.311とほぼ同じ。

・打たれ強さD

LOB%(残塁率)53.1% (25年AAA)。ただし25年度の新外国人投手は全員対ピンチD、打たれ強さDだったので打たれ強さFは不採用。

ノビG

今シーズンのAAAでは1球もフォーシームを投げていない正真正銘のシンカーボーラー。同じくシンカーボーラーのルイス・ペルドモ(オリックス)の公式査定に倣ってノビG&ツーシームファストで再現。

クイックE

元々の始動からリリースまでの投球モーションが早めという事もあるが、ランナーの有無に関わらずモーションに大きな変化は見られない。

新外国人投手だとオースティン・ボス(ロッテ)がMLB通算CS%(盗塁阻止率)40.0%でクイックC、一方エマニュエル・ラミレス(西武)は24年にMLBで20.2イニングを投げCS% 50.0%(被盗塁企図2)だがクイックFなので、公式査定は被盗塁企図数やCS%よりも実際のクイックモーションやタイムから査定しているのかも…?

・キレ◯

スイーパーの被打率はMLB通算で.150とメジャーでも十分に通用している。しかしこちらも新外国人投手は1人も所持していなかったので不採用に。

奪三振

K/9(奪三振率)12.55 (25年AAA)

ナチュラルシュート

MLBでの投球を見る限りでは、15°前後の低いアームアングルも相まってかフォーシームはしっかりシュートしているので投球数は少ないが一応採用。

対ランナー×

被打率.248、ランナー1塁時被打率.333、ランナー1.3塁時被打率.400(全てMLB通算)

・捕球 F34送球E

MLB通算守備率.800、MiLB通算守備率.861とエラーが多い。25年も守備率.500と不安が残る。

 

ひとこと

「とうとう阪神に本物のシンカーボーラーがやってきた!」という興奮そのままに作成しました笑

MLB(AAA)からNPBという大きな環境の変化も含め未知数な部分も多いですが、平均で150キロオーバーのシンカーとMLBでも通用したスイーパーを持つというプロフィールだけでかなり楽しみな選手です。日本でもツーシームの平均球速が150を超えればかなりの武器になると思いますし、早く甲子園でのピッチングが見たい!

 

因みに最終的な文字数が3000を優に超えるとは思ってもいませんでした…

 

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