殿堂入りした父譲りのパワーを誇る“ゲレーロ2世”
・2024年成績
.323 30HR 103打点 2盗塁 OPS.940 DRS-1 fWAR5.5 rWAR6.2
・2024年タイトルなど
シルバースラッガー(一塁手)、オールMLB1stチーム(一塁手)、オールスター、MVP投票6位
パワナンバー:10000 10790 22605
今回は、MLB通算449HRのブラディミール・ゲレーロを父に持ち、2021年の大谷翔平とのHR王争いで日本でも知名度がアップしたブラディミール・ゲレーロJr.の2024年バージョンです。
MLB通算449HRを誇り2018年に殿堂入りも果たしたレジェンド、ブラディミール・ゲレーロを父に持つゲレーロJr.は、2015年にブルージェイズと契約し翌年プロデビューを果たすと、2017年にはプロスペクトランキングに全体26位、ブルージェイズ内では1位に選出、2018年には全体的1位に選出されるなど早くから将来を有望視されていました。
2019年にMLBデビューを果たすと、その年にオールスターのHRダービーに出場し決勝まで進出するなど特大のポテンシャルの片鱗を見せます。
2021年はエンゼルスの大谷、ロイヤルズのサルヴァドール・ペレスとHR王を争う活躍を見せ、シーズン最終戦で48号を放ってペレスと共にHR王に輝きました。また、オールスターゲームでは史上3組目となる親子でのHRを記録し史上最年少でオールスターゲームMVPを獲得しています。
しかし2022年は打率.274、32HR、2023年は打率.264、26HRと数字を落としましたが、2024年に復活。159試合で打率.323、30HR、103打点と好成績を残しました。
そんな今年のオフにFAとなるゲレーロJr.ですが、現在はブルージェイズとの契約延長交渉の難航が報じられ、ヤンキースへのトレードまで報じられるなど去就が注目される存在となっています。
査定
・弾道2
24年のLaunch Angle(平均打球角度)はMLB平均(12.3)を大きく下回る7.2。そんなイメージは無かったので本当に驚きました。かなり悩みましたが勇気を出して弾道2に。因みにメジャスピでも弾道2でした。
・パワー A88
21年以降はStatcastのパワー系指標で毎年トップクラスの数値を記録している。弾道2も考慮して88に。
・肩力 A85
StatcastのArm Strengthでは88.5と「バズーカ」と称された父親譲りの強肩の持ち主。Arm Strength 88.5はショートでゴールドグラブを受賞したボビー・ウィットJr.と同値、ファーストの中では断トツでトップだった。
・守備力 E40
24年はDRS-1、UZR-2.2、OAA-9、FRV-6と守備系の指標は全てマイナスに。OAA(同じポジションの平均的な選手と比べてどれだけアウトを増やしたか)はMLB下位3%の低さだった。
・捕球 E41
24年は1026.1イニングを守ったファーストで10失策(捕球エラー8、送球エラー2)、100イニングを守ったサードで2失策(捕球エラー1、送球エラー1)を記録。
・ケガしにくさB、回復C
デビューイヤーの19年は123試合の出場だが、20年以降は毎年シーズンを完走しており、出場率は最低でも23年の約96.3%になる。
・走塁F
決して足は遅くはないが、24年のBaserunning Runsは-6とMLB下位1%の数字に。2019年のデビュー以降Baserunning Runsは毎年マイナス。
・広角打法
自慢のパワーで逆方向へもスタンドインさせる。48HRを記録した21年も逆方向へのHRが多かった。
・固め打ち
24年は1試合3安打を17回、4安打を4回記録した。
・ラインドライブ
Launch Angleは平均以下ながらも、Statcastのパワー系の指標は軒並みトップクラス。時折とんでもない角度のライナーでスタンドまで運ぶ。
・満塁男
24年は満塁で10打数5安打、打率.500と満塁で更に怖い存在に。
・併殺
24年は16併殺、21年から23年は3年連続で20併殺を超えている。
ひとこと
近年FAで大谷(エンゼルス→ドジャース)やソト(ヤンキース→メッツ)が大型契約を結んでいる事を考えると、ゲレーロJr.は今オフにFAとなるか、あるいはブルージェイズがFAになる前にトレードで放出する可能性が高いのではないでしょうか。
守備に難はあれど打撃はメジャートップクラスの選手であり、今オフで26歳という若さを考えると大型契約を手にする可能性は十分あるでしょう。