charlewisのパワプロ×MLBブログ

もっとメジャーリーグの魅力を届けたい!と思い、現在のMLBで活躍しているメジャーリーガー達をメインにパワプロで選手を査定・再現し紹介しています。

大谷 翔平(2025) Shohei Ohtani パワプロ再現選手・パワナンバー

更なる進化を遂げた唯一無二の二刀流

・2025年成績(投手)

14試合 47.0イニング 1勝1敗 防御率2.87 奪三振62 WHIP1.04 fWAR1.9 rWAR1.1

・2025年成績(野手)

158試合 .282 55HR 102打点 20盗塁 OPS1.014 DRS+1(投手) fWAR7.5 rWAR6.6 146得点 長打率.622 380塁打 敬遠20

(太字はリーグ最高、斜体はMLB最高)

・2025年タイトル

NL MVP、NLCS MVP、シルバースラッガー、エドガー・マルティネス賞、ハンク・アーロン賞、オールMLB1stチーム(DH)、オールスター

パワナンバー:10100 61532 12862

 

大谷の2025年Statcastパーセンタイルランキング(ピッチング)。僅か47.0イニングとはいえあらゆる数値でトップクラスの数字を記録。BB%(四球率)も大きく改善されたが、Chase%(ボール球スイング率)の低さは荒れ球故か。

大谷の2025年Pitch Movement Profile。全球種の平均球速が23年より高速化&回転数増加、更にスライダーとカーブの割合が大きく増加するなどリハビリのついでに更なる進化を遂げた。スライダーとカーブが増加し、スプリットが減少したのは大谷自身がSpinater*1であるという特徴を理解し、自分に合った球種(スライダー系、カーブ系)を投げる様になったからかも…?

大谷の2025年Statcastパーセンタイルランキング(バッティング)。パワー面では相変わらずMLB屈指の数値を記録した一方、Squared-Up%*2、Whiff%(空振率)、K%(三振率)が大きく低下。BB%(四球率)が増加した事も含めると24年の活躍により更に厳しく攻められる様になったのかもしれない。

今シーズンは二刀流として復活を果たし、MLBでリハビリ登板を重ねながらキャリアハイの55HRを記録、更にポストシーズンも含め5イニング以上を投げた6試合で3勝を記録し3シーズン連続でMVPに輝いた唯一無二の“ユニコーン”。

2025年は今永昇太&鈴木誠也が所属するカブスとの「東京シリーズ」で開幕を迎え、第2戦で第1号HRを記録するとそのままHRを量産し前半戦だけで32HRを記録。また6月16日のパドレス戦で23年8月以来となる投手兼DHとして出場、以降少しずつイニングを伸ばしていき、復帰後初めて5イニングを投げた8月27日のレッズ戦では勝利投手に。

最終的に投手として14先発で47.0イニングを投げ1勝1敗、防御率2.87、奪三振率11.87、WHIP1.04を、DHとしては158試合で打率.282、55HR、102打点、20盗塁、OPS1.014を記録。

ポストシーズンでは17試合で打率.265、8HR、14打点、1盗塁、OPS1.096を記録しドジャースのワールドシリーズ連覇に貢献。特にブルワーズとのNLCS第4戦では先発として6イニングを投げ被安打2、10奪三振、打者としても4打数3安打3HRと異次元の活躍を見せ様々なメディアで特集され、更にトランプ大統領が「史上最高の試合の一つと言われるのは、同じ選手が投打でこれほどの活躍を見せたからだ。本当に興奮する」「私が今まで見た中で最高の投手の一人で、最高の打者の一人でもある」と述べるなど大きな話題となった。

オフにはシルバースラッガーに加えエドガー・マルティネス賞、ハンク・アーロン賞を受賞。MVP投票でも満票で自身4度目、3シーズン連続でのMVPに選出された。

また3HR&10奪三振を記録したNLCS第4戦での活躍がレジェンダリー・モーメント賞に選出され、日本人初の受賞者となっている。


www.youtube.com

 

査定

投手能力

・球速 163km/h

25年の最速はフォーシームで計測した101.7マイル(163.7キロ)。この101.7マイルは自己最速タイで、何の因果か1度目(WBC2023)、2度目(6月28日のロイヤルズ戦)共に打席にはヴィニー・パスクアンティーノが立っていた。

・コントロール D59

BB/9(与四球率)1.72、死球0、暴投10。BB/9は優秀だがイニング数が少なく、相変わらず暴投が多いのでギリギリCにならないD59に。個人的にはコントロールの良い大谷というのも何か違う気がする…

・スタミナ B72

14先発で47.0イニング、平均投球回3.36。リハビリ登板が多かった事もあり微下げ程度に。

・ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合7.0%、被打率.500(被打数10)。平均96.2マイル(154.8キロ)とフォーシームとの球速差は大きく、変化量も大きいのが特徴。

ピッチングニンジャによると、エンゼルス時代に打席でクレイ・ホームズ(当時ヤンキース)のシンカーを見て衝撃を受け、それがきっかけで大谷もシンカーを投げ始めたとか。

・スイーパー5 (オリジナル変化球)

左側が2023年、右側が2025年のスイーパーのMovement Profile。

スイーパー。投球割合22.8%、被打率.229。23年は平均83.7マイル(134.7キロ)と遅く変化量も大きかったが、25年は平均85.0マイル(136.8キロ)と高速化。それに伴って横変化量はやや減少、投球割合も35%から23%と低下し、被打率も.140から.229へと悪化している。来シーズン以降は更にスイーパーの割合が減少するかも…?

スライダーをベースに球速とブレーキをダウン、変化量をアップしたオリジナル変化球で再現。

・ドロップカーブ3

カーブ。投球割合8.8%、被打率.154(被打数13)。平均78.6マイル(126.5キロ)と遅く、また平均回転数が23年の2457から2653と200近く増加した事もあってか縦横共に平均以上の変化量を見せWhiff%は55.0%を高い数値を記録。シーズン終盤では明らかに割合が増加していたので、来シーズン以降は大谷にとって重要な球種になりそう。

・Vスライダー4

スライダー。投球割合11.3%、被打率.154(被打数26)。22年から本格的に投げる様になり、23年は3.7%だった割合は11.3%まで増加。被打率.154、Whiff% 44.4%と効果的に機能した。スライダーもカーブと共に更に投球割合が増加しそう。

対ピンチE

被打率.223、得点圏被打率.250

対左打者C

対右被打率.265、対左被打率.179。イニング数が少なく参考程度という事からCに。

ノビC

フォーシーム被打率.183、Whiff% 24.7、SwStr% 9.7%。平均回転数も23年の2259から2467へと大幅に増加、Run Valueも23年は132イニングで+10だったのに対し、25年は47.0イニングで+9と遜色ない数字を記録している。

クイックC

25年のrSB(盗塁阻止に関する指標)は±0を記録。ただMLB通算では+2を記録しており、ランナーが居るとしっかりクイックをやっている事からCに。

回復A

二刀流復帰したので回復Aでええでしょう。

キレ◯

変化球(スイーパー、スライダー、カーブ)合計被打率.183

奪三振

K/9(奪三振率)11.87

球持ち○

Extension*3 6.7(MLB上位30%)

球速安定

フォーシーム平均球速98.4マイル(158.4キロ)。23年は平均96.8マイル(155.8キロ)だったので、イニング数が少ないとはいえ2.6キロアップしている。

真っスラ

右側がフォーシームのMovement Profile、左側が各球種のSpin Direction(共に2025年)。

アームアングルは35°と高くない割にフォーシームはシュート成分が少ない。またActive Spin %*4は78%とフォーシームとしてはかなり低く、回転軸(Spin-Based)は1:00に対し変化方向(Observed)は12:45と僅かにカットしている事が分かる。Spinaterという大谷の特徴から見ても真っスラの可能性はかなり高そう。

投打躍動


www.youtube.com

実質大谷専用の特殊能力。ブルワーズとのNLCS第4戦では先発として6イニングを投げ被安打2、10奪三振の好投を見せ、バッティングでは4打数3安打、3HRと文字通りの「投打躍動」を見せた。

れ球

25年は47.0イニングで与四球数(9)を上回る10暴投を記録するなど暴れっぷりは相変わらず。フォーシームの強化も兼ねて採用。

 

野手能力

・弾道4

Launch Angle 15.0、GB/FB 0.89、Air%*5 60.3%

・ミート B71

チャンスE、対左投手E、悪球打ち(オーペナで打率が下がりやすい?)を考慮してB71に。威圧感を取得できた場合はC67〜69を想定していた。

・パワー S98強振多用

MLB上位8%のバットスピードを誇り、Max Exit Velocity(最高打球速度)とAvg Exit Velocity(平均打球速度)はMLB3位、バレル率とハードヒット率はMLB2位とMLB屈指のパワーでHRを量産。また25年のMax Exit Velocity 120.0マイル(193.1キロ)はキャリア最速となっている。

大谷がパワーS98+パワーヒッターに対し、ジャッジはパワーS98+パワーヒッター+広角打法という形で差別化。

・走力 B75

Sprint Speed 28.0(MLB上位35%)

・守備力 E49

25年は47.0イニングでDRS+1、rPM+1を記録。rPMは21年から4シーズン連続(24年を除いて)で+1を記録しており、25年のイニング数を考慮すると数字以上に良い可能性も。外野は殆ど守っていないので適正は最小限に。

・捕球 D56、送球D

25年は47.0イニングで守備率1.000を記録。MLB通算でも.970と悪くない一方、通算2エラーは共に送球エラーなので捕球はD56、送球は公式査定から1ランクダウンしてDに。

チャンスE

得点圏打率.250

対左投手E

対右打率.283、対左打率.279。打率は差が無い一方、OPSは対右1.076、対左.898と差が大きかったのでEに。またwRC+も対右が186、対左が146と差が大きかった。

盗塁C

盗塁成功率.769、Basestealing Runs +1。通算の成功率は.793という事もありCに。

走塁B積極走塁

三塁打9本、Extra Bases Taken Runs*6 +3

回復A

二刀流復帰したので回復Aで(以下略)

パワーヒッター

MLB通算280HR、24年から2シーズン連続で50HRオーバーとMLB屈指のスラッガーの地位を確固たる物に。前述の通りバレル率もMLB2位と非常に優れている。

初球○

0ストライク時打率.430、OPS1.530

レーザービーム

公式査定に倣って採用。ただ大谷が外野を守る事は滅多に無いので実際のところどうなのかは分からないが、強肩であることは間違いない。

悪球打ち

左側が2025年ゾーン別Run Value、右側がBaseball Savantにおけるゾーンの定義。

全172安打の内30安打(17.4%)がボール球をヒットにした物。これだけなら不採用だがゾーン別のRun ValueではChase(ボール球) +21、Waste(明らかなボール球)*7+13とボールゾーンで大きくRun Valueを稼いでおり、また選球眼は悪くないがボール球でもHRにしている事も含めて採用。

三振

K%(三振率)25.7%

選球眼

Chase% 26.0%(MLB上位39%)、BB%(四球率)15.0%(MLB上位4%)。大谷の選球眼は波がある印象なので威圧感のみにしたかったところだが、投手では威圧感が取得できなさそうだったので選球眼で出塁率の高さの再現を試みた。

人気者

25年は二刀流として3シーズン連続でMVPを獲得。今やMLB屈指のスーパースターに。

変化球中心

大谷の2025年Pitch Usage(投球割合)。vs. LHHが対左打者、vs. RHHが対右打者。

フォーシームの投球割合は39%、シンカーは7%と速球の割合は少なめ。パワプロ的にも変化球中心がないと速球ばかり投げそうな気がする。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回は複数のリクエストを頂いたドジャースの大谷翔平(2025ver.)でした!

いやー、思いの外サクセスに時間が掛かってしまいました… 2026では二刀流専用サクセスなどでもう少し楽に作れる様になっても良いのではと思ったり。

そんな事は置いておいて、二刀流として復帰した事で盗塁は減少しましたがキャリアハイの55HRに加え、投手としてもピッチングデザインや平均球速、回転数などで更なる進化を遂げたオオタニサン。来シーズンの二刀流として戦うフルシーズンでの活躍、そして連覇を目指すWBCでの活躍も非常に楽しみです。

怪我だけはしないで下さい!!!

 

charlewis.hatenablog.com

↓質問や再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:回外(腕や手首を外側に捻る動き)が得意な投手

*2:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*3:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

*4:ボールの変化に影響を与える回転の割合。100%だと全ての回転が変化に影響を与えている=最高効率で変化させられているという事になる

*5:一言で言えばゴロ(GB)以外の打球の割合。FB%(フライ率)+LD%(ラインドライブ率)+PU%(ポップアップ率)で算出される。

*6:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

*7:Wasteは「無駄」「不要」という意味で、要するに投げる意味の無い程のボール球。因みにガーディアンズの某投手は初球にWasteにカウントされるボールを投げるかどうか、という賭けが対象だった。

エドウィン・ディアス(2025) Edwin Díaz パワプロ再現選手・パワナンバー

通算253セーブを誇るドジャース待望の新守護神

・2025年成績

62試合 66.1イニング 6勝3敗 0ホールド 28セーブ 防御率1.63 奪三振98 WHIP0.87 fWAR2.0 rWAR3.0

・2025年タイトルなど

トレバー・ホフマン賞、オールMLB2ndチーム、オールスター

パワナンバー:10800 81500 48488

 

エドウィン・ディアスの2025年Statcastパーセンタイルランキング。MLB有数のExtensionから投じるフォーシームとスライダーでWhiff%(空振率)、K%(三振率)共に上位2%と圧倒的な支配力を誇る。唯一気になるのは、年齢もあってかFastball Velo(速球平均球速)が低下気味に見えるところか。

エドウィン・ディアスの2025年Pitch Movement Profile。19°と低いアームアングルから投じるシュートライズ気味のフォーシームとスライダーのコンビネーションで打者を圧倒。ただ球速の速さ以外で特筆すべき点は見当たらない。

すっかり定番となった登場曲「Narco」と共に登場し、平均で160キロに迫るフォーシームとスライダーを武器にクローザーとして活躍し続け25年には通算250セーブの大台に到達したドジャースの新たな守護神。

2016年にマリナーズでメジャーデビュー。ルーキーながら8月からクローザーを任される様になり、2017年には34セーブ、そして2018年には57セーブを記録し大ブレイクを果たす。

2018年オフにトレードでメッツへ移籍すると、2019年こそ防御率5.59と苦しんだものの以降は安定した活躍を見せ、特に2022年には32セーブ、防御率1.31と圧倒的なピッチングを見せている。

2023年はWBCにて準々決勝進出を喜んでいる際に右膝の膝蓋腱*1を全断裂するというまさかのアクシデントでシーズンを全休する事に。

復帰した2024年は防御率3.52とまずまずの成績だったが、2025年は62登板で28セーブ、防御率1.98、WHIP0.87を記録し完全復活。22年以来のオールスターゲーム選手に加えてトレバー・ホフマン賞(NL最優秀リリーバー)を受賞、オールMLB2ndチームにも選出されている。

オフにFAとなりリリーフ市場の目玉の1人として動向に注目が集まっていたが、12月10日にドジャースと3年契約を結んだ事が報道され13日にドジャースから正式発表された。


www.youtube.com

22〜24年にかけてレッズでクローザーとして活躍し、25年にはドジャースにも所属したアレクシス・ディアス(ブレーブス傘下)は実弟。もしかしたらアレクシスからドジャースについて色々と聞いていたのかも…?

 

査定

・球速 161km/h

25年の最速はフォーシームで計測した100.5マイル(161.7キロ)。キャリア最速は22年に計測した102.8マイル(165.4キロ)。

・コントロール C60

BB/9(与四球率)2.85、死球8、暴投7

・スタミナ E44回復B

62登板で66.1イニング、平均投球回1.07

・スライダー4、Vスライダー4

スライダー。投球割合47.3%、被打率.179。変化量や回転数(Spin 2260)を見ても特徴的な部分は見当たらないが、平均89.1マイル(143.4キロ)という球速と優れたExtensionによりWhiff% 44.0%、Run Value +9と非常によく機能している。

流石にスライダー1球種だけというのは気が引けた事と、スライダーの変化量も大きくないのでスライダー&Vスライダーと分ける形に。

打たれ強さB

LOB%(残塁率)86.1%。MLB通算でも80.0%と優秀。

ノビB

フォーシーム被打率.133、Whiff% 39.4%、SwStr% 16.6%。25年の数字だけならAでも良いくらいだが威圧感や荒れ球の採用もありBに。

クイックF

66.1イニングで被盗塁15、CS%(盗塁阻止率)25.0%。Savantで確認した限りではクイックはしておらず、ランナーの有無に関わらずモーションは同じなのでFに。

キレ○

スライダー被打率.179

奪三振

K/9(奪三振率)13.30。MLB通算では14.54と打者を圧倒し続けている。

威圧感

個人的にはエマヌエル・クラセ(検閲済)の様な防御率1点台は当たり前、というクローザーに付けたいなと思いつつ、通算253セーブという圧倒的な実績も含めて悩んだ末に採用。

因みに威圧感無しの場合はHシンカー1(1球だけ投げたチェンジアップ)、ノビA、逃げ球、リリース○を追加して盛る予定でした。

球持ち○

Extension*2 7.2(MLB上位5%)

球速安定

フォーシーム平均球速97.2マイル(156.4キロ)

ナチュラルシュート

右側が球種別の回転軸、左側が変化方向

19°(フォーシームは17°)というアームアングルの低さもあってか回転軸1:45、変化方向1:30とシュート成分が強め。横変化量もvs. Comparable*3で+2.3と大きい。

れ球

25年は66.1イニングでBB/9は2.85と悪くない一方、死球8、暴投7とかなり荒れていた。

投球位置右

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回は複数のリクエストを頂いたメッツのエドウィン・ディアス(2025ver.)でした!

 

びっくりした!!!

というのがディアスがドジャースと契約したという報道を見た際の最初の感想です。

個人的に一番の狙い目だと考えていたデビン・ウィリアムズがメッツと契約した事でドジャースのクローザー補強はどうなるかと思いましたが、結果メッツがウィリアムズと契約した事でディアス側からの要求が緩和され契約に至ったとの事です。

youtu.be

ドジャースタジアムに「Narco」が鳴り響く瞬間が待ちきれません!!!

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:膝蓋骨(膝の皿)の下にある、膝蓋骨と脛骨を繋ぐ筋肉

*2:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

*3:平均との比較。具体的には速度差が±2マイル以内、リリースポイントの差が±0.5フィート以内の同じ球種との変化量の比較。

ボビー・ウィットJr.(2025) Bobby Witt Jr. パワプロ再現選手・パワナンバー

WBCにも参戦、5ツールを兼ね備える若きスーパーショート

・2025年成績

157試合 .295 23HR 88打点 38盗塁 OPS.852 DRS+3 fWAR8.0 rWAR7.1 184安打 二塁打47本

(太字はリーグ最高、斜体はMLB最高)

・2025年タイトルなど

AL MVP投票4位、シルバースラッガー、ゴールドグラブ、プラチナグラブ、オールMLB1stチーム、オールスター

パワナンバー:10700 61449 31269

 

ウィットJr.の2025年Statcastパーセンタイルランキング。Avg Exit Velocity(平均打球速度)はMLB上位6%でバレル率とハードヒット率も優秀、加えてSquared-Up%*1も平均以上とハイレベルなパワーに加えコンタクト能力も兼ね備える。またMLB屈指のスピードと強肩を活かした守備も圧巻で、Run Valueでは走攻守全てで上位8%以上の数値を記録するなどまさに5ツールプレイヤー。

MLB通算142勝を記録したボビー・ウィットを父に持ち、「30-30」を2度達成しているパワーとスピードに24年に首位打者を獲得したコンタクト能力、強肩を活かした守備もトップクラスというサラブレッドな5ツールプレイヤー。

2022年の開幕戦でメジャーデビューを果たすと、そのままショートのレギュラーに定着しルーキーながら20HR&30盗塁を記録。

2023年には30HR、49盗塁を記録し自身初&ロイヤルズ史上初の「30-30」達成。2024年2月にロイヤルズ史上最高額となる11年総額2億8770万ドルで契約を延長すると、シーズンでは打率.332、32HR、31盗塁、OPS.977を記録し2年連続での「30-30」達成に加え首位打者も獲得、更にシルバースラッガーとゴールドグラブを受賞しMVP投票では満票で2位に選出されている。

2025年は157試合で打率.295、23HR、38盗塁、OPS.852を記録。バッティングではやや成績を落としたが、守備ではMLB1位タイとなるOAA*2 +24を記録しシルバースラッガーとゴールドグラブに加えてプラチナグラブも受賞。若くして走攻守全てでトップクラスの貢献度を誇るMLB屈指のショートとしての地位を確立している。

前述の通りMLBで通算142勝を挙げたボビー・ウィットを父に持ち、3人の姉の夫は全員MLBでのプレー経験を持っている(次姉の夫は元西武のザック・ニール、三姉の夫は元オリックスのコーディ・トーマス)など絵に描いた様な野球一家で生まれ育っている。

 

査定

・弾道4

Launch Angle 15.2、GB/FB 0.87、Air%*3 62.6%

・パワー A81

パワー系の指標は全て平均を大きく上回っており、特にAvg Exit Velocit(平均打球速度)はMLB10位とトップクラス。23年に30HR、24年には32HRを記録していただけに、個人的に25年の23HRは意外だった。

・走力 S98

Sprint Speed 30.2(MLB2位)。デビュー以降毎シーズン30.0オーバーを記録し、Sprint SpeedランキングでもTop3にランクインし続けている現役屈指のスピードスター。

・肩力 A87

Arm Strength 87.6(MLB上位28%)、ポジション補正も込みでA87に。

・守備力 A82積極守備

25年はショートで1340.0イニングを守りOAA +24(MLB1位タイ)、DRS+3を記録。ルーキーイヤーはOAA-11、DRS-18と守備面で大きな課題を抱えていたが年々改善され、24年&25年と連続でゴールドグラブを受賞するなど大きな成長を遂げた。

チャンスC

得点圏打率.322

対左投手C

対右打率.287、対左打率.328

ケガしにくさB回復B

22年のデビュー以降4年連続で規定打席到達&150試合以上に出場し続けており耐久性も◎。ショートという負担の大きいポジションである事を考えると尚更凄い。

盗塁C積極盗塁

盗塁成功率.809、Basestealing Runs +3。通算成功率は.775とやや低くなり、元々の走力の高さも考慮してCに。

走塁B積極走塁

三塁打6本、Extra Bases Taken Runs*4 +5

送球C

25年の10エラーの内訳は送球エラーが4、捕球エラーが6。通算でも53エラーの内送球エラーは19(35.8%)とスローイングも安定している。

プルヒッター

ウィットJr.の2025年ヒットスプレーチャート(安打分布図)

全23HRの内14HRが引っ張り方向(Pull)への物

粘り打ち

2ストライク時打率.248、K% 18.2%(MLB上位33%)

インコースヒッター

ウィットJr.の2025年コース別打率

25年のコース別打率ではゾーン内のインコース打率が全て.350以上を記録。

対変化球○

Batting Run Value +28の内訳はフォーシームが+4、シンカー(ツーシーム)が-2とほぼ変化球(カッター含む)で稼いでいる。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたロイヤルズのボビー・ウィットJr.(2025ver.)でした!

実は2023年のWBCに参加していたウィットJr.ですが、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)、ポール・スキーンズ(パイレーツ)に続いてシーズン中の6月に2026年WBCでのアメリカ代表への参加を発表。前回大会はショートのバックアップという立場でしたが、今回は恐らくショートのレギュラーとして主力での活躍が期待されています。

現時点ではアメリカ代表の内野はウィットJr.以外が未定という事もあり、果たして誰がウィットJr.と二遊間でコンビを組むのかなども含めメンバー選考から見どころ満載です!

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*2:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

*3:一言で言えばゴロ(GB)以外の打球の割合。FB%(フライ率)+LD%(ラインドライブ率)+PU%(ポップアップ率)で算出される。

*4:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

ホセ・ラミレス(2025) José Ramírez パワプロ再現選手・パワナンバー

クリーブランドが誇る走攻守全てハイレベルなMLB最強サード

・2025年成績

158試合 .283 30HR 85打点 44盗塁 OPS.863 DRS±0 fWAR6.3 rWAR5.8

・2025年タイトルなど

AL MVP投票3位、シルバースラッガー、オールMLB1stチーム、オールスター

パワナンバー:10300 61479 16403

 

ホセ・ラミレスの2025年Statcastパーセンタイルランキング。パワー系の指標は全て平均以下だが、優れたLA Sweet-Spot%*1とSquared-Up%*2、Pull Air%*3も30.9%(MLB6位)と高水準。Whiff%(空振率)やK%(三振率)の良さも含めると「パワーではなく“技”でHRを量産する巧打者」という表現するべきだろうか。また走塁や守備での貢献度もかなり高い。

身長173cmとかなり小柄ながら抜群のセンスを誇り、「30-30」を3度達成している長打力とスピードに平均以上の守備力を兼ね備え、MVP投票でも上位の常連となっている現役MLB最強サード。

デビュー当初は内野のユーティリティとしてプレーしていたが、2016年に打率.312、11HR、OPS.825を記録しサードのレギュラーに定着。2017年以降(2020年を除く)は毎シーズン20HR以上&OPS.800以上を記録する強打のサードとして活躍し続けており、2018年と2024年に「30-30」を達成、シルバースラッガー受賞5回、オールスター選出6回とMLBを代表するサードに。

2025年も158試合で打率.283、30HR、85打点、44盗塁、OPS.863とらしい活躍を披露。2年連続&自身3度目となる30-30を達成し、オフにはMVP投票で3位にランクイン、7度目となるシルバースラッガー賞の受賞に加えオールMLB1stチームに選出されている。

 

査定

・弾道4

Launch Angle 19.2、GB/FB 0.72、Air%*4 66.7%

・パワー A80

バットスピードはMLB下位29%、Avg Exit Velocit(平均打球速度)とバレル率は下位33%、ハードヒット率は下位24%と単純なパワーだけなら間違いなく平均以下。とはいえ毎シーズン安定して30HR前後を記録しているのでギリギリAに。

・走力 B78

Sprint Speed 28.4(MLB上位23%)

・肩力 C65

Arm Strength 83.4(MLB下位43%)

・守備力 C67

25年はサードで1145.2イニングを守りOAA*5 +7、Fielding Run Value +6を記録。これだけなら守備力をBに乗せても良かったのだが、DRSは±0に終わったのでC67に。

チャンスC

得点圏打率.321

対左投手C

対右打率.267、対左打率.322

ケガしにくさB回復B

16年以降10シーズン連続で規定打席に到達&21年以降5シーズン連続で150試合以上に出場している鉄人。25年は手首、踵、前腕を負傷した様だがIL入りには至っていない。

盗塁B積極盗塁

盗塁成功率.863、Basestealing Runs +2

走塁B

三塁打3本、Extra Bases Taken Runs*6 +2

送球C

25年の13エラーの内訳は捕球エラーが7、送球エラーが5。また通算でも130エラーの内84エラー(64.6%)が捕球エラーを占めている。

パワーヒッター

前述の通りパワー系の指標は平均以下なのだが、優れたLA Sweet-Spot%とSquared-Up%を記録しており、Pull Air%の高さも含めると「身体の前でのコンタクト&バットの芯で捉える事で効率よく速い打球速度を記録しつつ、打球に角度をつけるのも上手い」という事が言える。

プルヒッター

右側が右打席での、左側が左打席でのスプレーチャート(打球分布図)

右打席でレフトへ5HR、左打席でライトへ24HRと全30HRの内29HRが引っ張り方向(Pull)への物。Pull Air%も30.9%(MLB6位)と優秀。

粘り打ち

2ストライク時打率.245、K% 11.0%(MLB上位5%)

ローボールヒッター

ホセ・ラミレスの2025年コース別HR数

全30HRの内12HRが低め(ゾーン外含む)のボールを打った物。

悪球打ち

ホセ・ラミレスの2025年コース別ヒット数

168安打の内43安打(25.6%)がゾーン外のボールを打った物。またChase Contact%(ボール球コンタクト率)も72.5%と平均を大きく上回っている。

人気者

デビュー以降ガーディアンズ(インディアンズ時代も含め)一筋のフランチャイズプレイヤー。9月にはクリーブランドに「ホセ・ラミレス通り」が設けられる程で、これはクリーブランドの現役アスリートとしては史上初の快挙。

www.mlb.com

 

ひとこと

アーロン・ジャッジ(ヤンキース)やエンゼルス時代の大谷翔平、近年ではボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)やカル・ローリー(マリナーズ)の活躍により現在までMVP受賞には縁がないラミレスですが、その実力はMLB有数の物である事に疑いはないでしょう。耐久性の高さも含めチームに居てくれるとかなり助かる存在です。

またラミレスはドミニカ共和国の日刊紙で、来シーズン開幕前のWBCについて「何があってもクラシックには出場する」と話しており、既にフェルナンド・タティスJr.(パドレス)が参戦を表明するなどドミニカ共和国代表もかなり豪華なメンバーになりそうです!

流石に例の「日本球界でのプレーを熱望」発言はリップサービスな気がしますがどうなるでしょうか…?

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

*2:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*3:Pull Air%はAir%の内の引っ張り(Pull)方向への打球の割合。高いPull Air%を残すには、引っ張る(身体の前でコンタクトする事)で最大限のパワーを引き出しつつ打球に角度をつける事が必要になり、Pull Air%が高い=優れた打球角度と打球速度を両立しているという事が言える。テッド・ウィリアムズにして「最も価値のある打撃」。

*4:一言で言えばゴロ(GB)以外の打球の割合。FB%(フライ率)+LD%(ラインドライブ率)+PU%(ポップアップ率)で算出される。

*5:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

*6:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

カル・ローリー(2025) Cal Raleigh パワプロ再現選手・パワナンバー

キャッチャー史上最多の60HRを放った「もう1人のMVP」

・2025年成績

159試合 .247 60HR 125打点 14盗塁 OPS.948 DRS+2 fWAR9.1 rWAR7.4

(太字はリーグ最高、斜体はMLB最高)

・2025年タイトルなど

AL MVP投票2位、シルバースラッガー、オールMLB1stチーム、オールスター、HRダービー優勝

パワナンバー:10700 61429 04516

 

ローリーの2025年Statcastパーセンタイルランキング。ハイレベルなパワーで引っ張りまくった事でHR数は34→60へと大幅アップし、キャッチャーとしては歴史的なバッティングを披露。またMLBトップクラスのフレーミングでも貢献しマリナーズの21年ぶりとなる地区優勝に大きく貢献した。

ハイレベルなパワーで引っ張りまくって両打席でHRを量産、最終的にキャッチャー&スイッチヒッター史上最多となる60HRを放ちマリナーズを24年ぶりの地区優勝に導いた“Big Dumper”。

25年MLBのPull Air%ランキング。ローリーはAir%で1位、Pull%は3位、Pull Air%は2位と引っ張りながら上手く打球に角度をつけていた事が分かる。

ローリーが今シーズン飛躍的にHR数を伸ばした要因としては、近年の「Pull Air%」を重視するというトレンドを上手く取り入れてHRになりやすい打球を量産した事が挙げられる。
ローリーは以前からPull%*1、Air%*2共に高かったが、25年はPull%が9%上昇し54.5%(MLB3位)、Air%は5.3%上昇し74.2%(MLB1位)となり、結果Pull Air%は38.4%(MLB2位)にまで上昇。23年は30HR、24年は34HRを記録するなどローリーが本来持っていたパワーにMLBトップクラスのPull Air%が加わった事が、シーズン60HRという歴史的な記録に繋がったのではないだろうか。

 

査定

・弾道4

Launch Angle 25.2、GB/FB 0.43、Air% 74.2%

・パワー S96パワーヒッター強振多用

ローリーのパワー系の指標はジャッジや大谷翔平、シュワーバーと比較すると劣るのだが、バレル率19.5%はこの3人に続いてMLB4位の数字に。更にAir% 74.2%はMLB1位と打球に角度をつける技術もMLBトップクラス。

・走力 E43

Sprint Speed 26.0(MLB下位18%)

・肩力 A82送球C

Catcher Arm Strength 83.1、CS%(盗塁阻止率)21.2%、CS Above Avg +2(MLB上位35%)。24年はCS% 28.3%(平均21.8%)を記録していたが、25年のCS%は21.2%(平均21.5%)平均的な数値に。

・捕球 D59

25年は守備率.996、パスボール0を記録したがBlocks Above Avg -4(MLB下位13%)と下位レベルに。とはいえ23年は-6、24年は-2とマイナス続きである事を考えると例年通りといったところか。

対左投手B

対右打率.231、対左打率.281

キャッチャーB

Flaming +7(MLB上位8%)。キャッチャーとしてのローリーの最大の武器がフレーミングで、23年は+6(上位21%)、24年は+13(上位3%)と安定して上位に位置しており、24年にはFielding Run Value +14、DRS+17を記録しゴールドグラブとプラチナグラブを受賞している。

ケガしにくさC回復B

レギュラーに定着した23年以降では目立った負傷は無く、3シーズン連続で規定打席に到達&キャッチャーとして1000イニング以上を守るなど耐久性も抜群。

盗塁C

盗塁成功率.778、Basstealing Runs -1

走塁E

三塁打0本、Extra Bases Taken Runs*3 -3

プルヒッター

右側が右打席での、左側が左打席でのスプレーチャート(打球分布図)

右打席でレフトへ17HR、左打席でライトへ29HRと全60HRの内46HRが引っ張り方向(Pull)への物。またヒットも明らかに引っ張り方向へ偏っている。

初球◯

0ストライク時打率.408、OPS1.620

威圧感

OPS.948、BB% 13.8%(MLB上位6%)、敬遠17。選球眼(Chase%)は平均以下だが流石に警戒されていた。

対ストレート○

フォーシーム打率.230、24HR、Run Value +16、シンカー(ツーシーム)打率.396、10HR、Run Value +12。

決勝打

イメージ査定。25年のHigh Leverage打率は.252とほぼ差はないが、勝負所に強いという個人的なイメージに加え無理のない範囲で特殊能力を盛りたかった。

マルチ弾

1試合2HR以上 11回

満塁男

満塁時打率.313(打数16)、グランドスラム3本

三振

K%(三振率)26.7%

人気者

今シーズンの60HRで球団&キャッチャー&スイッチヒッターとしての最多HR記録を更新。攻守に渡る活躍でマリナーズを21年ぶりの地区優勝に導き今ではシアトルのヒーローに。

 

ひとこと

今シーズンのア・リーグMVP争いは、首位打者&53HR、OPS1.144のアーロン・ジャッジとキャッチャー&スイッチヒッターとして史上最多の60HRを記録したローリーの一騎打ちでしたが、結果はジャッジが1位票17、ローリーが1位票13でジャッジに軍配が上がりました。

ジャッジが異次元のOPSに加え守備でも+を記録した一方、ローリーは後半戦に打率を落としてOPSで大きく差をつけられた事やフレーミングの数値が昨シーズンより低下した事が影響したのかもしれません。とはいえローリーもMVPに相応しい活躍だった事は間違いなく、相手が悪かったという事に尽きるでしょうか。

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:引っ張り方向への打球の割合

*2:一言で言えばゴロ(GB)以外の打球の割合。FB%(フライ率)+LD%(ラインドライブ率)+PU%(ポップアップ率)で算出される。

*3:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

アーロン・ジャッジ(2025) Aaron Judge パワプロ再現選手・パワナンバー

更なる進化を遂げ3度目のMVPを受賞した“キャプテン・アメリカ”

・2025年成績

152試合 .331 53HR 114打点 12盗塁 OPS1.144 DRS+3 fWAR10.1 rWAR9.7 出塁率.457 長打率.688 124四球 137得点 36敬遠 wRC+204

(太字はリーグ最高、斜体はMLB最高)

・2025年タイトルなど

AL MVP、首位打者、シルバースラッガー、オールMLB1stチーム、オールスター、ハンク・アーロン賞

パワナンバー:10300 41488 90205

 

ジャッジの2025年Statcastパーセンタイルランキング。MLB屈指のパワーとバレル率に加え、LA Sweet-Spot%*1と選球眼もハイレベル。xBA(予想打率)は上位2%、xSLG(予想長打率)は上位1%を記録し、Batting Run Valueも+79と2位の大谷翔平(+63)に大差をつけてトップとなっている。

身長201cm、体重127kgのどでかい身体に備えた圧倒的なパワーでHRを量産しつつ、ハイレベル選球眼も兼ね備え高打率とHR数を両立。毎年の様にOPSやwRC+、Batting Run Valueでトップに名を連ねる世界最強のスラッガー。

2016年に24歳でメジャーデビューを果たすとデビュー戦の初打席で初HRを記録。因みに同日にメジャーデビューを果たしたタイラー・オースティン(前DeNA)も初打席初HRを放っている。

2017年には52HRを放ってHR王に輝き、ヤンキースの球団新人HR記録とMLBの新人HR記録を更新し満票で新人王に選出。

以降は負傷に悩まされるが2021年は規定打席に到達し39HRを記録すると、2022年には62HRを記録してア・リーグの最多HR記録を更新し、HRと打点の2冠に加え自身初のMVPを獲得。過去に63HR以上を記録したバリー・ボンズ、マーク・マグワイア、サミー・ソーサは全員ドーピング歴があり「この62HRこそが真のシーズン最多HR」という声も。

2024年にも打率.322、58HR、144打点、OPS1.159と圧倒的な成績で2度目のMVPに輝くと、2025年は4月を打率.427、10HRのロケットスタートを見せ前半戦で35HRを記録するなど再び圧倒的なバッティングを披露。後半戦は肘を痛めてのIL入りした事もあってか打率.286、18HRとトーンダウンしたが、152試合で打率.331、53HR、114打点、OPS1.144を記録し自身初の首位打者を獲得。MVP投票ではキャッチャーとして史上初の60HRを記録したカル・ローリー(マリナーズ)との接戦を制し2年連続でのMVP受賞を成し遂げている。


www.youtube.com

↑左側が2025年(対左投手)、右側が2023年(対右投手)のスタンス。左右の違いはあるものの明らかにスタンスが狭まっている。

ジャッジは元々足を開いたオープンスタンスだったが、24年5月から徐々にスタンスが狭まる様に。24年の4月は打率.220とスロースタートだったがこれをきっかけに復調。

ジャッジが「前足が着地したら(スタンスは)スクエアに戻したい」、「 体格が大きいから、ゲームの中で一番シンプルな動作を身につけなきゃいけない」と話す様に、よりシンプルなスタンスとスイングにする事で対応力が向上。結果ジャッジ自身も「外角の球に対して少し長くボールを捉え続ける助けになった気がする。それにツーシームやチェンジアップなど、内角の球に対してもまだ強い姿勢で対応できていると感じている」と話すなど効果を実感し、25年はキャリアハイの打率.322に加え、K%(三振率)はキャリア最低となる23.6%を記録するなど更なる進化を遂げている。

www.mlb.jp

 

査定

・弾道4

Launch Angle 19.0、GB/FB 0.73、Air%*2 66.5%

・パワー S98、パワーヒッター、強振多用

バットスピードは上位4%、Avg Exit Velocit(平均打球速度)はMLB2位、Max ExitVelocity(最高打球速度)はMLB5位、ハードヒット率はMLB3位、バレル率はMLB1位、ISO*3 .357もMLB1位とパワー系の指標は軒並み上位1〜2%に入る。またLA Sweet-Spot%も上位9%と打球角度も申し分なし。

・走力 D57

Sprint Speed 27.1(MLB下位42%)

・肩力 A86レーザービーム送球C

Arm Strength 89.6(MLB上位16%)。25年は822.1イニングで補殺1の一方、Arm Value +2を記録。ジャッジ=強肩のイメージも相まって抑止力として貢献した。

・守備力 C63

24年は不慣れなセンターでOAA-6、DRS-9と苦戦したが、25年は慣れ親しんだライトを守り822.1イニングでOAA+4、DRS+3を記録。やはりジャッジはライトが似合う。

走塁E

三塁打2本、Extra Bases Taken Runs*4 -3。Extra Bases Taken Runsは23年以降3シーズン連続でマイナスを記録。

広角打法

ジャッジの2025年ヒットスプレーチャート(安打分布図)

全53HRの内引っ張り方向(Pull)は14HRに対し、逆方向(Opposite)は17HRと圧倒的なパワーで方向を問わずスタンドへ運ぶ。

固め打ち

1試合3安打以上 17回

初球○

0ストライク時打率.512、OPS1.758

威圧感

25年のOPS1.144、BB% 18.3%、36敬遠は全てMLB1位。ジャッジ以上に威圧感が似合う選手は居ない。

インコースヒッター

左側がコース別打率、右側がコンタクト時のコース別打率(共に2025年)

前述の通り、よりシンプルなスタンスとスイングにした事でインコースへの対応力が上昇。特にコンタクト時のインコース打率は全て5割オーバーを記録している。

対ストレート○

フォーシーム打率.331、Run Value +25、シンカー打率.485、Run Value +19

マルチ弾

1試合2HR以上 7回

三振

K%(三振率)23.6%

併殺

16併殺

選球眼

Chase% 22.5%(MLB上位17%)、BB% 18.3%(MLB上位1%)

人気者

デビュー以降ヤンキース一筋で23年からキャプテンに就任、WBC2026ではアメリカ代表のキャプテンも務めるなど、実力も人望も兼ね備える押しも押されもせぬMLBの顔。

慎重打法

0ストライク時の打数割合23.5%、Swing% 43.7%。優れた選球眼を活かしてボールを見極めつつ、甘い球は逃さない。

 

ひとこと

来シーズン開幕前のWBCに遂にジャッジが参戦!…今年の4月に発表されていたとはいえ、現役最高の野手であるジャッジがWBCに参加するというのは前回大会でアメリカ代表のキャプテンを務めたトラウト以上に大きな意味があるのではないかと思います。投手陣次第ではありますが「史上最強のアメリカ代表」が実現するかも大きな見所になりそうです。

個人的には決勝での日本対アメリカ、そして大谷vsジャッジの実現に期待しています!

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

*2:一言で言えばゴロ(GB)以外の打球の割合。FB%(フライ率)+LD%(ラインドライブ率)+PU%(ポップアップ率)で算出される。

*3:Isolated Power。長打率から打率を引いて算出する打者の純粋な長打力を測る指標。

*4:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

ハンター・ブラウン(2025) Hunter Brown パワプロ再現選手・パワナンバー

シンカーを取り入れて覚醒したアストロズの新たなエース

・2025年成績

31試合 185.1イニング 12勝9敗 防御率2.43 奪三振206 WHIP1.03 fWAR4.6 rWAR6.1

・2025年タイトルなど

ALサイ・ヤング賞投票3位、オールスター、オールMLB2ndチーム

パワナンバー:10700 61438 15950

 

ブラウンの2025年Statcastパーセンタイルランキング。Avg Exit Velocity(平均打球速度)、ハードヒット率は共にMLB上位4%とシンカーで弱いコンタクトを誘いつつ、フォーシームとナックルカーブで三振も量産した。

ブラウンの2025年Pitch Movement Profile。アームアングル56°と縦振りから投じるバックスピンの効いたフォーシームと縦変化が大きいナックルカーブで高低差を使いつつ、右打者はシンカーで詰まらせて、左打者はチェンジアップで緩急を使って攻める。

デトロイト出身のデトロイト育ち、かつてタイガースで活躍したジャスティン・バーランダーとそっくりなフォームで「Nextバーランダー」として期待を集め、遂にブレイクを果たしたアストロズの新エース。

2019年にドラフト5巡目(全体166位)でアストロズから指名されプロ入り。

2022年9月にメジャーデビューを果たすと以降メジャーに定着。2023年は31試合(29先発)で防御率5.09と苦しんだが、2024年5月からシンカーを取り入れると才能が開花。前半戦の防御率は4.39に対し、後半戦は2.26と圧倒的な数字を残した。

2025年は開幕から安定したピッチングを見せ5月には復活したジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)と超ハイレベルな投手戦を披露、6月には月間最優秀投手に選出、自身初のオールスターゲーム選出などブレイクを果たし、最終的に31先発で185.1イニングを投げ12勝9敗、防御率2.43、206奪三振を記録。前半戦、後半戦共に防御率2.43と抜群の安定感を見せ、オフにはサイ・ヤング賞投票で3位にランクイン、オールMLB2ndチームにも選出されるなどエースとしてアストロズを牽引したシーズンとなった。

デトロイト出身で高校も大学もミシガン州内という事から、恐らく物心ついた時期にタイガースでのバーランダーの活躍を見ておりバーランダーへの憧れを公言している。フォームもバーランダーそっくり。

 

査定

・球速 160km/h

25年の最速はフォーシームで計測した99.8マイル(160.6キロ)

・コントロール C64

BB/9(与四球率)2.77、死球7、暴投0

・スタミナ A80

31先発で185.1イニング、平均投球回5.98、完投1

・ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合22.1%、被打率.265。球速の近いフォーシームを活かしつつ、Exit Velocity(打球速度)78.6マイルと詰まらせて弱いコンタクトを誘発させRun Value +9を記録。

デビューから24年4月までに投じたのは1球のみだったが、24年5月から投げ始めるとそれに比例するかの様に防御率が改善。24年4月は防御率9.78と苦しんだが5月は3.42に、後半戦は2.26とエース級の数字にまで改善されている。

・カットボール1

カッター。投球割合5.5%、被打率.200。24年の16.5%から大きく投球割合が低下。被長打率.511という事もありRun Valueは-3となった。

・ドロップカーブ5

ナックルカーブ。投球割合17.9%、被打率.150。平均83.5マイル(134.4キロ)とカーブとしては速めの球速で縦に曲がり、Launch Angle -1とゴロを量産しつつWhiff% 39.2%と決め球としても機能。Run Valueも+9を記録している。

・Hシンカー3

チェンジアップ。投球割合12.0%、被打率.186。投球の9割以上が左打者相手という対左用の球種。平均88.2マイル(142.0キロ)なのでHシンカーで代用。

打たれ強さB

LOB%(残塁率)82.0%

ケガしにくさC回復C

ブラウンの負傷歴(Injuries)ページを開くとまさかの「No Data Available(データ無し)」。そもそも負傷していない?

デビューを果たした22年9月以降目立った離脱は無く、Fox Sportsの負傷歴ページを見てもまさかのデータ無し。先発ながらこれは地味に凄い。

ノビB

フォーシーム被打率.182、Whiff% 28.8%、SwStr% 10.8%

クイックE

185.1イニングで被盗塁20、CS%(盗塁阻止率)28.6。CS%は悪くないが、1塁にランナーが居ても足を上げているのでEに。

キレ◯

変化球(カッター、ナックルカーブ、チェンジアップ)合計被打率.170

奪三振

K/9(奪三振率)10.00

球持ち

Extension*1 6.7(MLB上位28%)

球速安定

フォーシーム平均球速96.6マイル(155.5キロ)

要所○

High Leverage被打率.185

ゴロピッチャー

GB% 48.1%(MLB上位24%)、GB/FB 1.48

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたアストロズのハンター・ブラウン(2025ver.)でした!

アストロズの先発ローテはブラウンが独り立ちした一方、長らくエースとして活躍したフランバー・バルデスがFAとなり、スペンサー・アリゲッティとクリスチャン・ハビエアは負傷からの復帰明けで未知数な状態。バーランダーとの再会にも前向きだとか…?

実は丁度この記事を投稿しようと思っていたタイミングでリクエストを頂いたので助かりました笑

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

クリストファー・サンチェス(2025) Cristopher Sánchez パワプロ再現選手・パワナンバー

高いゴロ率と奪三振率を両立するハイブリッドなシンカーボーラー

・2025年成績

32試合 202.0イニング 13勝5敗 防御率2.50 奪三振212 WHIP1.06 fWAR6.4 rWAR8.0

・2025年タイトルなど

NLサイ・ヤング賞投票2位、オールMLB2ndチーム

パワナンバー:10900 71427 97854

 

クリストファー・サンチェスの2025年Statcastパーセンタイルランキング。安定した制球力と優れたExtensionでシンカーを操りMLB上位5%のGB%(ゴロ率)58.5%を記録。さらにチェンジアップを決め球にK%(三振率)も高く安定したゲームメイクを見せた。

クリストファー・サンチェスの2025年Pitch Movement Profile。球種は3つのみと先発としてはかなり少ないが、右打者にはシンカーとチェンジアップで緩急を使って、左打者にはシンカーとスライダーで横幅を使って攻めゴロアウトを量産。またチェンジアップはWhiff% 45.1%と高い空振率を記録している。

安定した制球力で緩急と横幅を使ってゴロアウトを量産、更にシンカーボーラーながら高い奪三振能力も持ち合わせ、離脱した絶対的エースのウィーラーに代わりフィリーズを牽引した左のシンカーボーラー。

2013年7月にアマチュアFAでレイズと契約しプロ入りし、2019年オフにトレードでフィリーズへ移籍。

2021年6月にメジャーデビューを果たすが21年は7登板で防御率4.97、2022年は15登板で防御率5.63と結果を残せず。

2023年から本格的に先発へ転向すると、7月以降は先発ローテの一角に定着し19登板(18先発)で防御率3.44とアピールに成功し、2024年は31先発で181.2イニングを投げ11勝9敗、防御率3.32を記録、オールスターゲームにも選出されるなどブレイクを果たし6月にはフィリーズと4年2250万ドルでの契約延長も勝ち取っている。

2025年はシーズンを通して安定したピッチングを見せ、32先発で202.1イニングを投げ13勝5敗、防御率2.50、212奪三振を記録。GB% 58.5%とMLBトップクラスのゴロ率に加え、打たせて取るシンカーボーラーとしては異例の奪三振率9.45を記録するなど安定したゲームメイクを披露。絶対的エースのザック・ウィーラーが8月中旬に離脱するなかフィリーズ先発陣の柱として2年連続での地区優勝に大きく貢献し、オフのサイ・ヤング賞投票ではパイレーツのポール・スキーンズに次いで満票で2位に選出、またオールMLB2ndチームにも選出されるなど大ブレイクを果たした。

 

査定

・球速 158km/h

25年の最速はシンカー(ツーシーム)で計測した98.2マイル(158.0キロ)

・コントロール B75

BB/9(与四球率)1.96、死球6、暴投6。逃げ球を考慮してやや低めに。

・スタミナ A83回復B

32先発で202.0イニング、平均投球回6.31、完投1

・ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合46.0%、被打率.269。平均95.4マイル(153.5キロ)とサウスポー平均より2マイル以上速く、Launch Angleも±0とバットの芯を外してゴロを量産しRun Value +19を記録した。

・スライダー3

スライダー。投球割合16.6%、被打率.252。左打者に対してはシンカーとスライダーでの横幅を使った攻めがメインに。メジャスピでは縦のスライダーになっているが、上記の理由から横のスライダーを採用。

・チェンジアップ6 (オリジナル変化球)

チェンジアップ。投球割合37.4%、被打率.170。シンカーは回転軸が10:00、平均2137回転に対し、チェンジアップは回転軸が9:30、平均2043回転と見た目では判別が難しい一方、平均86.3マイル(138.9キロ)とシンカーとの球速差で緩急を使う。Whiff% 45.1%と空振率も優秀で決め球としても機能しRun Value +18を記録した。

緩急○を発動させる為にシンカーをベースにしたオリジナル変化球で再現。

対ピンチC

被打率.226、得点圏被打率.200

対左打者C

対右被打率237、対左被打率.189

打たれ強さC

LOB%(残塁率)79.8%

ノビG

クリストファー・サンチェスのPitch %(球種別の投球割合)

サンチェスはフォーシームを投げないシンカーボーラー。フォーシームは21年のデビュー以降でも22年に3球、23年に1球投げたのみ。

同じくシンカーボーラーのルイス・ペルドモ(オリックス)やグラント・ハートウィグ(前阪神)の公式査定に倣ってノビGで再現。

キレ○

変化球(スライダー、チェンジアップ)合計被打率.192

逃げ球

HR/9(被本塁打率)0.53

奪三振

K/9(奪三振率)9.45

リリース○

クリストファー・サンチェスの2025年球種別アームアングル

球種別のアームアングルは最も高いスライダーが31°、最も低いチェンジアップが28°と同じ腕の角度で3球種を投げ分ける。先発ながら3球種のみという球種の少なさも含めて採用。

球持ち○

Extension*1 7.0(MLB上位9%)

緩急○

同じツーシーム回転ながら球速差があるシンカーとチェンジアップで緩急を使ってタイミングを外す。

ゴロピッチャー

GB%(ゴロ率)58.5%、GB/FB 2.43

・守備力 D59、捕球 E41

25年は202.0イニングでDRS+3、rPM+2を記録。エラーも1つ(送球エラー)、守備率.970と安定していたが、25年終了時の通算守備率は.909とかなり低いので捕球はE41に。
投球位置左

グローブライフ・フィールド(レンジャーズ)とダイキン・パーク(アストロズ)の画角は最高。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたフィリーズのクリストファー・サンチェス(2025ver.)でした!

フィリーズの先発陣はエースのウィーラーとサンチェスに加え15勝を挙げたヘスス・ルサルド、12勝を挙げたランヘル・スアレスが続き、更に実績十分のアーロン・ノラも居るなど超ハイレベルです。そら2年連続で地区優勝しますわ…

しかしサンチェスはこの活躍ぶりで4年2250万ドルなのはもはやブラックなのでは…?

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

ギャレット・クロシェ(2025) Garrett Crochet パワプロ再現選手・パワナンバー

先発転向2年目にしてサイ・ヤング賞級の活躍を見せた“The Pig🐷”

・2025年成績

32試合 205.1イニング 18勝5敗 防御率2.59 奪三振255 WHIP 1.03 fWAR5.8 rWAR6.3 奪三振率11.18

(太字はリーグ最高、斜体はMLB最高)

・2025年タイトルなど

ALサイ・ヤング賞投票2位、最多奪三振、オールスター、オールMLB1stチーム

パワナンバー:10400 81417 85999

 

クロシェの2025年Statcastパーセンタイルランキング。フォーシームのRun Valueは+21→-8と大きく低下してしまったが、カッターとシンカーで補完。高い奪三振能力に加え、バレル率やハードヒット率、ゴロ率も平均以上と弱いコンタクト(バットの芯を外した打球)も量産した。

クロシェの2025年Pitch Movemen Profile。24年と比較するとシンカーの割合が大きく増加、フォーシーム、カッター、シンカーという3つの速球に縦変化量も大きいスイーパーを織り交ぜて打者を翻弄した。

2020年にマイナーを経験せずにメジャーデビューし、先発転向2年目の2025年は新天地レッドソックスで圧倒的なピッチングを見せ200イニングを突破し最多奪三振にも輝いたレッドソックスの新たなエース。

2020年にドラフト1巡目(全体11位)でホワイトソックスから指名されプロ入り。この年はパンデミックの影響でマイナーリーグの公式戦が開催されなかった事もあり、マイナーでのプレーを経験せずに9月にメジャーデビューを果たしている。

2021年は54試合で12ホールド、1セーブ、防御率2.82と結果を残したが、2022年はスプリングトレーニング中に靭帯を損傷しトミー・ジョン手術を受けシーズンを全体。

2023年5月に復帰し13試合に登板すると、2024年から先発に転向。32先発で146.0イニングを投げ6勝12敗、防御率3.58、209奪三振を記録、フォーシームはRun Value +21を記録するなど活躍しオールスターゲームにも選出、オフにはカムバック賞を受賞している。

2024年12月にカイル・ティールらとのトレードでレッドソックスへ移籍し、3月31日に6年1億7000万ドルで契約を延長している。

レッドソックスでも2年連続での開幕投手を務めると、前半戦だけで160奪三振を記録するなど好投を続け最終的に32先発で205.1イニングを投げ18勝5敗、防御率2.59、255奪三振を記録。255奪三振はMLB1位、205.1イニングはア・リーグ1位と出色の活躍を見せ最多奪三振に輝き、サイ・ヤング賞投票ではMLB最強サウスポーのタリック・スクーバルに次いで2位にランクイン、オールMLB1stチームにも選出されるなど先発転向2年目にしてMLB屈指のスターターへと進化を遂げている。


www.youtube.com

愛称の“The Pig(豚)”は横浜ベイスターズでもプレーしたレッドソックスOBのルー・メローニが名付け親。クロシェの“汚い”程のピッチングから🐷を連想して付けたとか(勿論肯定的な意味で)。クロシェ本人も気に入っており、クロシェが好投を見せた日にはレッドソックスのX公式アカウントに豚の写真や絵文字、「Oink(豚の鳴き声)」といった返信が集まっている。

 

査定

・球速 161km/h

25年の最速はフォーシームとシンカー(ツーシーム)で計測した100.2マイル(161.3キロ)

・コントロール B76

BB/9(与四球率)2.02、死球3、暴投7

・スタミナ A85回復B

32試合で205.1イニング、平均投球回6.42、完投1、完封1

・ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合15.8%、被打率.226。24年の割合は僅か2.2%だったが25年は大きく増加。フォーシームに変わってRun Value +15を記録するなど効果的に機能した。

・カットボール4

カッター。投球割合27.8%、被打率.250。24年から左右を問わずに投げ込んむ。平均90.9マイル(146.3キロ)と高速だが平均以上の変化量を見せ、25年はRun Value +10を記録。クロシェは「右打者の内角へ投げる際は親指を上に、左打者の外角へ投げ空振りを奪いたい際には親指を下げてジャイロ回転を強めている」と話している。

・スラーブ5

スイーパー。投球割合15.9%、被打率.126。24年と比較すると縦変化量が大きくなりWhiff% 40.8%を記録するなど決め球として機能。Run Valueも+15を記録した。

・チェンジアップ1 (オリジナル変化球)

チェンジアップ。投球割合4.3%、被打率.091(被打数22)。134球全てが右打者に投じられた対右専用の球種。割合は少ないがWhiff% 42.1%、Run Value +3とこちらも良く機能した。

対左打者B

対右被打率.229、対左被打率.166

打たれ強さB

LOB%(残塁率)84.3%

ノビE

フォーシーム被打率.260、Whiff% 30.2%、SwStr% 12.5%

クイックE

205.1イニングで被盗塁13、CS%(盗塁阻止率)35.0%。24年は146.0イニングで被盗塁17、CS% 5.6%と走られまくったが25年は改善。

クイックモーションは足を曲げたまま上げたり、足を上げなかったり。24年と比較すると足を上げないモーションの割合が増えたかも…?

キレ◯

変化球(カッター、スイーパー、チェンジアップ)合計被打率.190

奪三振

K/9(奪三振率)11.18

クロスファイヤー投球位置左

プレートの三塁側の端から始動し、左打者に向かって踏み込む様なクロスステップからボールをリリースする。

球持ち◯

Extension*1 6.8(MLB上位23%)

ゴロピッチャー

GB%(ゴロ率)49.3%、GB/FB 1.43

 

ひとこと

24年は32先発で146.0イニング、平均投球回4.56とスタミナ面に不安がありましたが、蓋を開けてみれば改善どころかア・リーグ最多の205.1イニングと完全に要らぬ心配でした笑 

近年のレッドソックスはボガーツやデバースといった高年俸の主力を放出しつつ、クロシェの獲得やチャップマンの復活、ラファエラやロマン・アンソニーの台頭と着実に再建が進んでいるイメージ。今オフにもカージナルスからソニー・グレイを獲得するなど、来シーズンもア・リーグ東地区は激戦待った無しでしょうか。

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:球持ち。具体的にはどれだけプレートから前でボールをリリースしたかを表す数値。単位はフィート(ft)・インチ(in)。

【カット気味のチェンジアップ?】タリック・スクーバル(2025) Tarik Skubal パワプロ再現選手・パワナンバー

2年連続でサイ・ヤング賞を受賞したMLB現役最強サウスポー

・2025年成績

31試合 195.1イニング 13勝6敗 防御率2.21 奪三振241 WHIP0.89 fWAR6.6 rWAR6.5 与四球率1.52 K/BB7.30

(太字はリーグ最高、斜体はMLB最高)

・2025年タイトルなど

ALサイ・ヤング賞、最優秀防御率、オールスター、オールMLB1stチーム

パワナンバー:10100 01497 83262

 

スクーバルの2025年Statcastパーセンタイルランキング。スピード、制球力、奪三振能力全てがMLB上位10%以内という抜群の完成度を誇る。速球とチェンジアップのコンビネーションを武器にMLB1位のPitching Run Value +51を記録した。

スクーバルの2025年Pitch Movement Profile。アームアングル49°と高めの角度から投げるフォーシーム&シンカーとチェンジアップのコンビネーションで制圧。チェンジアップの変化量もフォーシームと比較すると大きく見える。

最速165キロを超える質の高いフォーシームとシンカー、時折カット気味の変化を見せるという難攻不落のチェンジアップを武器に圧倒的なピッチングを見せ2年連続でのサイ・ヤング賞受賞を成し遂げた現役最強のサウスポー。

2018年にドラフト9巡目(全体255位)でタイガースから指名されプロ入り。

2020年8月にメジャーデビューを果たすと2021年から先発ローテに定着したが、2022年8月に左手の屈筋腱の手術を受け2023年7月まで離脱。復帰後は19先発で防御率2.80、WHIP0.90と好投を見せ、2024年以降は安定してハイパフォーマンスを披露。

2024年は31先発で192.0イニングを投げ18勝4敗、防御率2.39、228奪三振で投手3冠を達成し満票でサイ・ヤング賞を受賞。

2025年も圧倒的な投球を見せ続け31先発で195.1イニングを投げ13勝6敗、防御率2.21、241奪三振を記録。自身初の完封をマダックスで達成、更に自己最速の165キロを計測するなど絶対的エースとして優勝争いを繰り広げたタイガースを牽引し、2年連続で最優秀防御率に輝きサイ・ヤング賞も受賞した。


www.youtube.com

 

査定

・球速 165km/h

25年の最速はフォーシームで計測した102.6マイル(165.1キロ)。これはキャリア最速。

・コントロール A85

BB/9(与四球率)1.52、死球5、暴投3

・スタミナ A84回復B

31先発で195.1イニング、平均投球回6.30、完投1、完封1

・ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合23.7%、被打率.284。

・スライダー3

スライダー。投球割合12.5%、被打率.208。

・カーブ1

ナックルカーブ。投球割合2.8%、被打率.167(被打数12)。79球中78球が右打者に投じられた。ナックルカーブだが平均81.2マイル(130.7キロ)と最速との球速差が大きめなのでカーブで再現。

・チェンジアップ6 (オリジナル変化球)

チェンジアップ。投球割合31.4%、被打率.154。

Whiff% 46.8%、ハードヒット率27.8%と圧倒的な数値を残しRun Value +25を記録するなどスクーバルのピッチングを大きく支えている。緩急○が発動する様にシンカーをベースにしたオリジナル変化球で再現。

youtu.be

24年シーズン開幕前に公開されたピッチングニンジャのインタビューでは、チェンジアップの変化と進化、握りなどについて語っている。

スクーバルは元々Pronation(腕を内側に捻る動作)を利用してチェンジアップを投げていたが、Spination(腕を外側に捻る動作)が得意なスクーバルには合っていなかったそう。しかしリハビリ中のアドバイスがきっかけで2023年からプロネーションを辞めてシーム・シフト・ウェイク(縫い目による変化)によるチェンジアップを投げる様になり、制球が安定した事で自信を持って投げられる様になったとか。またカット気味に投げる事から時折意図せずカット回転が掛かる事があるとも。

スクーバルは「 結局のところ、プロネーションをやめて自然な外旋に任せ、後は「物理」に任せたら良い方向に進んだ」と語っている。

対ピンチC

被打率.199、得点圏被打率.167

打たれ強さC

LOB%(残塁率)80.6%

ノビB

フォーシーム被打率.193、Whiff% 28.5%、SwStr% 14.6%

クイックB

195.1イニングで被盗塁3、CS%(盗塁阻止率)57.1%

キレ◯

変化球(スライダー、ナックルカーブ、チェンジアップ)合計被打率.164

奪三振

K/9(奪三振率)11.10

リリース○

チェンジアップのリリースについては「強く投げれば投げるほど速球に見え、だから速球と同じくらいかそれ以上に攻撃的に投げられる(腕を振れる)」と語っている。

低め◯

左側がチェンジアップの投球ヒートマップ、右側がチェンジアップのコース別Pitch %(投球割合)

安定した制球力もスクーバルの武器の一つで、とくにチェンジアップは徹底して右打者のアウトロー、左打者の膝元へ集められている。またカウントに応じて少し低めにずらしているとの事。

緩急◯

フォーシームとシンカーという2種類の速球、そして最大の武器であるチェンジアップを中心に組み立てる。本人も「ストライクゾーンに投げまくると、球速差や変化で自然と空振りやChaseを奪える」と語っている。

配分

5月25日のガーディアンズ戦でキャリア初の完封をマダックスで達成。更にその試合最後の投球となった94球目に自己最速となる102.6マイル(165.1キロ)を記録している。

対ランナー×

ランナー1塁時被打率.288(被打数104)、1.3塁時被打率.100(被打数10)

調子安定

25年は31先発でQS21回(QS率 67.7%)を記録。24年も31先発でQS22回(QS率 71.0%)と非常に安定している事もあり調子安定を採用。

・守備力 D57、捕球 E49送球F

25年は195.1イニングでDRS+3、rPM+2、1エラー、守備率.952を記録。ただ通算守備率は.921と今ひとつ、また通算8エラー全てが送球エラーなので送球Fに。

 

ひとこと

キックチェンジを習得したドジャースのエメット・シーアンの記事でも最後に触れましたが、スクーバルのチェンジアップの進化を見ても自分に合った球種や投げ方の重要性を改めて感じさせられます。

Pronation(内旋)とSpination(外旋)という言葉の浸透や、それに伴ってシーム・シフト・ウェイクやキックチェンジがトレンドになりつつある事からもこうした考え方は更に広まっていくのではないでしょうか。

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

ポール・スキーンズ(2025) Paul Skenes パワプロ再現選手・パワナンバー

新人王受賞の翌年にサイ・ヤング賞を受賞、WBCでも要注目の怪物

・2025年成績

32試合 187.2イニング 10勝10敗 防御率1.97 奪三振216 WHIP0.95 fWAR6.5 rWAR7.7 被本塁打率0.528

(太字はリーグ最高、斜体はMLB最高)

・2025年タイトルなど

NLサイ・ヤング賞、最優秀防御率、オールスター、オールMLB1stチーム

パワナンバー:10600 71427 13407

 

スキーンズの2025年Statcastパーセンタイルランキング。Fastball Velo(速球の平均球速)、Whiff%(空振率)、K%(奪三振率)、BB%(四球率)など多くの項目でMLBトップクラスの数値を記録。Pitching Run Value +42は山本由伸と並びMLB2位タイと圧倒的なピッチングでサイ・ヤング賞を受賞した。

スキーンズの2025年Pitch Movement Profile。フォーシームを中心に対右にはシンカーとスイーパー、対左にはスプリンカーとチェンジアップを中心に組み立てる。更にスライダーやカーブを投げており、まさにPitch Mix。

全体1位指名、MLB史上最高額の契約金でプロ入りすると、デビューイヤーの2024年に圧巻のピッチングで新人王に、2025年も好投を続けサイ・ヤング賞を受賞し名実共にMLB最高のスターターの1人となった“怪物”。

高校卒業後にUnited States Air Force Academy(空軍士官学校)に進学し投手と捕手の二刀流として投打で活躍した後、ルイジアナ州立大学への転校後から投手に専念している。

そして2023年にドラフト1巡目(全体1位)でパイレーツから指名され、MLBドラフト史上最高額となる契約金920万ドルで契約しプロ入り。

23年8月にルーキーリーグでデビューすると5日後にAへ、その6日後にAAへ昇格。2024年はAAAで開幕を迎え7試合で防御率0.99を記録すると僅か12試合でマイナーを卒業し5月にメジャーデビューを果たすと、23先発で11勝3敗、防御率1.96、170奪三振、WHIP0.95を記録し圧巻のピッチングを披露。ルーキーながらオールスターゲームで先発を任されるなど特大のインパクトを残しナ・リーグ新人王を受賞、更にオールMLB1stチームにも選出された。

オフにシンカー(ツーシーム)とカッター*1を習得して迎えた2025年も開幕から圧巻のピッチングを続け、7月には5先発で防御率0.67を記録し月間最優秀投手に選出。最終的に32先発で10勝10敗、防御率1.97、216奪三振、WHIP0.95と圧倒的な内容と結果を残し最優秀防御率を獲得。オールスターゲームでも2年連続で先発を務め、オフにはサイ・ヤング賞を初受賞するなど23歳にしてMLB屈指のスターターとしての地位を確立している。


www.youtube.com

 

査定

・球速 161km/h

25年の最速はシンカー(ツーシーム)で計測した100.6マイル(161.9キロ)。24年の最速101.9マイル(164.0キロ)から2.0キロ低下した。

・コントロール B77

BB/9(与四球率)2.01、死球6、暴投2

・スタミナ A80回復C

32先発で187.2イニング、平均投球回5.87、完投1

・ツーシームファスト

シンカー(ツーシーム)。投球割合9.6%、被打率.216。24年オフに習得し、今シーズンは対右用の球種として機能。スイーパーとのコンビネーションでRun Value +5を記録した。

・スライダー4

スイーパー。投球割合15.9%、被打率.150。対右用のメインの変化球として機能しRun Value +9を記録。フォーシームと比較しても縦変化量の差が少ない事からスライダーで再現。

・スプリンカー4

スプリンカー(スプリット)。投球割合13.6%、被打率.277。スプリットとシンカーの中間の様な球種で平均93.7マイル(150.8キロ)と高速で沈む。24年は投球割合28.4%、被打率.184、Run Value +17を記録していたが、25年は割合が減少、被打率も悪化しRun Value ±0に終わっている。

・Hシンカー4

チェンジアップ。投球割合10.9%、被打率.103。24年は投球割合5.4%と少なかったが、25年はスプリンカーと並ぶ対左用の球種として機能しWhiff% 43.9%と空振りを量産。決め球の1つとなりRun Value +9を記録した。

対左打者E

対右被打率.186、対左被打率.210

打たれ強さB

LOB%(残塁率)82.4%

ノビB

フォーシーム被打率.204、Whiff% 29.0%、SwStr% 13.4%

キレ◯

変化球(スイーパー、スプリンカー、チェンジアップ)合計被打率.177

逃げ球

HR/9(被本塁打率)0.53

奪三振

K/9(奪三振率)10.36

牽制◯

Pickoff(牽制刺殺数)1、また24年にはレッズのスピードスター、エリー・デラクルーズを刺すなどPickoff3つを記録している。

リリース◯

スキーンズの2025年球種別アームアングル

25年の球種別アームアングルは最も高いカーブが26°、最も低いチェンジアップが21°と計7球種をほぼ同じ腕の角度で投げ分ける。

球速安定

フォーシーム&シンカー平均球速98.1マイル(157.9キロ)

ナチュラルシュート

2025年MLBにおけるフォーシームの横変化量ランキング(vs. Comparable*2 )

23°(フォーシームは24°)と低いアームアングルもあってかフォーシームは横変化量が大きく、vs. ComparableではMLB9位にランクインしている。

要所○

High Leverage被打率.165(Baseball-Reference.com)

負け運

RS/G 3.16(パイレーツ1試合平均得点3.60)。パイレーツの得点力自体がよろしくないとはいえワーストクラスの援護率なので採用。

・走力 F38

60ヤード走 7.58秒(2019/6/11)、50m走換算 6.91秒

・守備力 E40

25年はDRS-1を記録。特にrPM-3とフィールディングの指標が良くなく、24年のrPM±0から大きく落とした形に。

・捕球 F39送球E

25年はエラー2、守備率.913を記録。エラーは2つとも送球エラー、また通算でも4エラーの内送球エラーが3つと多め。

人気者

24年&25年と2年連続でオールスターゲーム先発、更に投手としては1番乗りでWBC参加が発表されるなど若くしてMLBの顔の1人となっている。

 

ひとこと 

25年5月にWBCへの参加を発表しているスキーンズ。WBC前年度のサイ・ヤング賞投手が参戦というのは近年ではあまり聞かない気がしますし、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)を筆頭にカル・ローリー(マリナーズ)、ボビー・ウィットJr.などが参加する今回のアメリカ代表はまさに史上最強かもしれません。個人的にも非常に楽しみにしています!

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:ただしシーズンでは投げていない

*2:平均との比較。具体的には速度差が±2マイル以内、リリースポイントの差が±0.5フィート以内の同じ球種との変化量の比較。

ローマン・アンソニー(2025) Roman Anthony パワプロ再現選手・パワナンバー

ボストンに現れた若きスーパースター候補“Roman Empire”

・2025年成績

71試合 .292 8HR 32打点 4盗塁 OPS.859 DRS+7(OF) fWAR2.7 rWAR3.1

・2025年タイトルなど

AL新人王投票3位

パワナンバー:10000 51436 51853

 

アンソニーの2025年Statcastパーセンタイルランキング。MLBトップクラスのAvg Exit Velocity(平均打球速度)とバレル率、ハードヒット率に加えてSquared-Up%*1も平均以上、更にChase%(ボール球スイング率)とBB%(四球率)も選球眼も非常に優れている。更に守備でもOAA*2 +6を稼ぎ、走攻守全てで貢献し大きなインパクトを残した。

6月に21歳の若さでデビューすると卓越したパワーと選球眼、更に広い守備範囲も見せ走攻守全てで貢献。僅か71試合の出場でfWAR2.7を稼ぎ新人王投票でも3位にランクインしたレッドソックスのヤングスター。

2022年にドラフト2巡目(全体79位)でレッドソックスから指名され、ミシシッピ大学への進学を取りやめプロ入り。

2023年にはAからA+を経てAAへ、2024年にはAAAへと順調に昇格を重ね、2025年開幕時にはMLBパイプラインのプロスペクトランキングで全体1位の評価を得ている。

AAAでは58試合で打率.288、10HR、OPS.913と結果を残し、6月9日のレイズ戦でメジャーデビューを果たす。デビューした6月こそ打率.210と苦労したものの、7月以降の月間打率は全て3割オーバーと見事に適応しレギュラーに定着。9月頭に腹斜筋を痛めて離脱しシーズンを終える事となったが、最終的に71試合で打率.290、8HR、32打点、4盗塁、OPS.859を記録。新人王投票でもニック・カーツジェイコブ・ウィルソン(共にアスレティックス)に次いで3位にランクインするなど、来シーズン以降の大ブレイクを大きく期待させるルーキーイヤーを過ごし、8月6日にはレッドソックスと8年1億3000万ドルで契約を延長するなどスーパースター候補として大きな期待を集めている。


www.youtube.com

アンソニーの愛称“Roman Empire”はファーストネームのRoman(ローマ、ローマの)から。

 

査定

・弾道2

Launch Angle 6.9、GB/FB 1.65

・パワー B78ラインドライブ強振多用

2025年MLBのExit Velocity(打球速度)関連のランキング。画像は上から1位〜11位まで。

Avg Exit Velocity、バレル率、ハードヒット率全てMLBトップクラスというパワーの持ち主。試合数が少ないので参考程度だが、Avg Exit Velocity 94.5は大谷翔平(ドジャース)に次ぐMLB4位相当、ハードヒット率60.3%はカイル・シュワーバー(フィリーズ)を上回りMLB1位相当とMLBを代表するスラッガーに並ぶレベル。これだけならパワーAレベルなのだが、LA Sweet-Spot%*3は悪くない一方でLaunch Angleは6.9°と低く、本塁打率は32.13と物足りないのでパワーB78&ラインドライブに。

・走力 B70

Sprint Speed 27.8(MLB上位42%)

・肩力 C64

Arm Strength 84.6(MLB上位49%)

・守備力 C69積極守備

デビュー後はライトとレフトを守り、ライトは290.1イニングでOAA +4、DRS+8、レフトは152.0イニングでOAA+2、DRS-1と高い守備力を披露した。

チャンスC

得点圏打率.323

ケガしにくさE

9月頭に腹斜筋(Oblique)を痛めてIL入りするとそのままシーズンを終える事に。ポストシーズンにも間に合わなかった。

走塁C積極走塁

三塁打1本、Extra Bases Taken Runs*4 +1

初球○

0ストライク時打率.439、OPS1.131

対ストレート○

フォーシーム打率.378、5HR、Run Value +9

サヨナラ男

Walkoff(サヨナラ打)1回

三振

K%(三振率)27.7%

選球眼

BB%(四球率)13.2%

慎重打法

Swing% 37.4%、0ストライク時の打数割合16.0%

 

ひとこと

www.mlb.com

MLB有数の打球速度にハイレベルな選球眼、更に広い守備範囲を誇るなどかなりハイスペックな能力を誇るアンソニー。71試合でfWAR2.7と荒稼ぎするなどルーキーながら大きなインパクトを残しました。打球角度の低さ、パワーの割にHRが少なめという事を考えると現状ではゲレーロJr.に近いバッティングに加え、平均以上の走力とかなり広い守備範囲を見せる選手と言うべきでしょうか。

来シーズン以降は1年間レッドソックスを牽引する働きが求められますが、それだけを期待できる選手でもあり今後が非常に楽しみです!

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*2:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

*3:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

*4:Statcastの盗塁を除いた走塁での貢献度を測る指標。Advanceは進塁を稼いだ数、Thrown Outは走塁死の数、Holdsは進塁をためらった事により失った得点の数がそれぞれ反映される。Advanceは0が最低でプラスが大きい程良く、Thrown OutとHoldsは0が最高でマイナスが大きいほど悪いという事になり、Advance、Thrown Out、Holdsの合計でExtra Bases Taken Runsが算出される。

ドレイク・ボールドウィン(2025) Drake Baldwin パワプロ再現選手・パワナンバー

痛烈な当たりで打点を稼ぎ正捕手の座を掴んだナ・リーグ新人王

・2025年成績

124試合 .274 19HR 80打点 0盗塁 OPS.810 DRS-2 fWAR3.1 rWAR3.3

・2025年タイトルなど

NL新人王

LIVEパワプロでは「ドレイク」が引っかかり「???ク」に…

パワナンバー:10100 11426 15511

 

ボールドウィンの2025年Statcastパーセンタイルランキング。バットスピード、Avg Exit Velocity(平均打球速度)、ハードヒット率は上位レベルというパワーに加え、Whiff%(空振率)とK%(三振率)もハイレベル。LA Sweet-Spot%*1は平均以下と打球角度は改善の余地があるが、キャッチャーとしてのバッティングの完成度は高い。

ブレーブスの正捕手ショーン・マーフィーの骨折により開幕からチャンスを得ると、自慢のパワーと勝負強いバッティングでレギュラーの座を掴みバスター・ポージー(ジャイアンツ)以来となるキャッチャーとしての新人王に輝いた強打のルーキー。

2022年にドラフト3巡目(全体96位)でブレーブスから指名されプロ入り。

2024年にはシーズン途中からAAAに定着し、オフにはプレミア12にアメリカ代表として参加している。

2025年のスプリングトレーニングでブレーブスの正捕手であるショーン・マーフィーが肋骨を骨折した事でメジャーに昇格し開幕戦でメジャーデビュー。マーフィーの復帰後は併用する形で出場を続け34試合で4番を任されるなどバッティングで貢献し、最終的に124試合で打率.274、19HR、80打点、OPS.810を記録。新人王投票では30人中21人から1位票を集めナ・リーグ新人王に選出。キャッチャーとしてはバスター・ポージー(ジャイアンツ)以来15年ぶりの受賞を果たすなど見事にチャンスを活かしてブレイクを遂げた。

サイ・ヤング賞経験者のクリス・セールやスペンサー・ストライダーからもキャッチャーとしての能力を称賛されるなど、開幕ロスター入りすら予想されていなかった男がブレーブスに欠かせない存在となりつつある。


www.youtube.com

 

査定

・弾道2

Launch Angle 6.5、GB/FB 1.55

・パワー B77ラインドライブ強振多用

バットスピードはMLB上位10%、平均打球速度は上位15%、ハードヒット率は上位16%と優れたパワーが最大の売り。打球角度は低くLA Sweet-Spot%は平均以下だったが19HRを記録した。

・走力 E45

Sprint Speed 26.1(MLB下位19%)

・肩力 B71送球E

Catcher Arm Strength 77.0。ポップタイムは1.95秒と平均レベルだが、CS Above Avgは-2(下位19%)という数字に。

・守備力 D53、捕球 C62

Flaming、CS Above Avgは共にマイナスを記録したが、Blocks Above Avgは+7とトップクラスの数値を記録。Fielding Run Valueは-1に留め守備でもまずまずの貢献を見せた。

チャンスB

得点圏打率.319

対左投手C

対右打率.267、対左打率.299

キャッチャーD

Flaming -1(MLB下位45%)

プルヒッター

ボールドウィンの2025年ヒットスプレーチャート(安打分布図)

全19HRの内12HRが引っ張り(Pull)方向への物

粘り打ち

K%(三振率) 15.2%(MLB上位17%)、2ストライク時打率.245

ローボールヒッター

ボールドウィンの2025年コース別HR数

全19HRの内9HRが低め(ゾーン外含む)を打った物

ダメ押し

リード時(Ahead)打率.345、ビハインド時(Behind)打率.209

対ストレート○

フォーシーム打率.351、長打率.638、6HRと得意にしRun Value +12を記録。

満塁男

満塁時打率.800(打数10)、OPS1.857

 

ひとこと

楽しみな強打の若手キャッチャーが出てきました!MLB上位レベルのバットスピードや打球速度誇り、尚且つ空振りと三振率も少ないという完成度の高いバッティング、そして優れたブロッキングなど守備面でも穴が無くレギュラーに定着したのも納得のスタッツです。ボールドウィンとマーフィーを併用できるのはもはやずるいのでは…?

ドジャースファンとしては同じくバッティングが売りのルーキーキャッチャー、ダルトン・ラッシングと比較してしまいますが、ボールドウィンと比べるとラッシングはまだまだ粗さが見えてしまいますね…

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合

ジェイコブ・ウィルソン(2025) Jacob Wilson パワプロ再現選手・パワナンバー

抜群のバットコントロールで新人王争いを繰り広げた新星

・2025年成績

125試合 .311 13HR 63打点 5盗塁 OPS.800 DRS-10 fWAR3.5 rWAR3.0

・2025年タイトルなど

AL新人王投票2位、オールスター

パワナンバー:10000 41466 57395

 

ウィルソンの2025年Statcastパーセンタイルランキング。Squared-Up%*1はMLB上位4%、Whiff%(空振率)は上位2%、K%(三振率)は上位1%とMLB屈指のコンタクト能力を武器に打率.311を記録。一方でパワーと守備はマイナスを記録しており、長い目で見ればもう一皮むけて欲しいところか。

メジャー2年目にしてショートの定位置を確保するとMLB屈指のコンタクト能力で打率.311を記録、チームメイトのニック・カーツと新人王投票で1-2フィニッシュを果たしたアスレティックスの新星。

2023年にドラフト1巡目(全体6位)でアスレティックスから指名されプロ入り。

2024年にA+でデビューすると順調に昇格していき7月にメジャーデビュー。28試合で打率.250、0HR、3打点とまずまずの数字を残す。

2025年は開幕からショートのレギュラーとして起用されると3/4月は打率.325、5月は.368と好調をキープし前半戦を打率.329で終えるとオールスターゲームにも選出。しかし7月末に前腕を痛め1ヶ月近く離脱する事に。後半戦は打率.267と調子を落としてしまったが、ルーキーながらMLB3位となる打率.311、K%(三振率)はMLB2位*2となる7.5%を記録するなど抜群のバットコントロールを披露。新人王投票でも2位にランクインするなど大きく飛躍を遂げた1年となった。


www.youtube.com

父親のジャック・ウィルソンはパイレーツなどでMLB通算1370試合に出場した元メジャーリーガー。息子ジェイコブがグランド・キャニオン大学でプレーしていた2023年にはコーチを務めていた。

 

査定

・弾道2

Launch Angle 8.8、GB/FB 1.89

・パワー D59ミート多用

バットスピードとAvg Exit Velocity(平均打球速度)は共にMLB下位1%、ハードヒット率は下位2%、バレル率も下位6%とパワーだけならMLBワーストクラス。しかし13HRを記録するなどパンチ力はあるので、そこそこのパワー&ミート多用という形で再現。

・走力 D57

Sprint Speed 27.0(MLB下位39%)

・肩力 A88送球C

Arm Strength 88.9(MLB上位21%)。8エラーの内6つが捕球エラー。守備率も.979と悪くなく、強肩も含めてスローイングは安定している。

・守備力 E46積極守備

25年はショートを1053.2イニング守ってOAA*3 -2、DRS-10を記録。デビューイヤーの24年も236.0イニングでOAA-3、DRS-4を記録しており、守備範囲の狭さ故に守備率が良いという可能性も…。守備面は今後の大きな課題となりそう。

チャンスB

得点圏打率.371

対左投手C

対右打率.303、対左打率.336

プルヒッター流し打ち

ウィルソンの2025年ヒットスプレーチャート(安打分布図)

全13HRの内12HRが引っ張り(Pull)方向への物。また広角にヒットを放ち、引っ張り方向は打率.345に対し、逆方向は打率.359を記録している。

固め打ち

1試合3安打以上 16回

粘り打ち

K% 7.5%(MLB上位1%)。2ストライク時の打率も.258とかなり高い。

インコースヒッター

ウィルソンの2025年コース別打率

ゾーン内のインコース打率は高めと低めで4割オーバーを記録。

対変化球○

スライダーはRun Value +11、チェンジアップもRun Value +5と得意とした一方、フォーシームはRun Value +2、シンカー(ツーシーム)はRun Value -5を記録。結果フォーシームよりもシンカーを多く投げられている。

サヨナラ男

Walkoff(サヨナラ打)2回

悪球打ち

Chase% 32.1%(MLB下位22%)、O-Contact%(ボール球コンタクト率)は驚異の84.6%とボール球でも難なくバットに当てる。

併殺

16併殺

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回はリクエストを頂いたアスレティックスのジェイコブ・ウィルソン(2025ver.)でした!

Xで面白い物を見かけたのですが、ニック・カーツとウィルソンは、Statcastの打撃におけるデータが見事なまでに正反対!共にドラフト1巡目指名の逸材とはいえ、同じシーズンに同じチームで正反対のバッティングスタイルのルーキーが台頭したのは非常に興味深いところです。

左側がカーツ、右側がウィルソンのBattingパーセンタイルランキング

近年のアスレティックスではカーツとウィルソン以外にも3シーズン連続で30HR以上を記録したブレント・ルッカー、今シーズン31HRを放った強打の捕手シェイ・ランゲリアース、25HRを放ちブレイクしたタイラー・ソダーストロムを筆頭に野手陣は整備されつつあるだけに、メイソン・ミラーを放出した投手陣の整備が鍵になりそう。

頑張れセベリーノ!

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*2:1位はルイス・アラエス(パドレス)の3.1%

*3:Out Above Average。平均よりどれだけアウトを増やしたor減らしたかを表すStatcast独自の指標。イメージとしてはDRSが総合的な守備面での貢献度を測るのに対し、OAAはより守備範囲にフォーカスしている。打球性質の違いから内野手と外野手では算出方法が異なり、キャッチャーは対象外。

ニック・カーツ(2025) Nick Kurtz パワプロ再現選手・パワナンバー

ルーキー史上初の1試合4HRで衝撃を与え新人王に輝いた“Big Amish”

・2025年成績

117試合 .290 36HR 86打点 2盗塁 OPS1.002 DRS+2 fWAR4.6 rWAR5.4

・2025年タイトルなど

AL新人王、シルバースラッガー

パワナンバー:10900 61486 05427

 

カーツの2025年Statcastパーセンタイルランキング。Squared-Up%*1やWhiff%(空振率)やK%(三振率)から粗さも見えるが、MLBでも有数のパワーと選球眼、バレル率の高さでBatting Run Value +40(MLB上位3%)を記録。ルーキーとは思えない圧倒的なバッティングを見せた。

MLBトップクラスのパワーと選球眼を武器にルーキーながら36HR、OPS1.002を記録、更にルーキー史上初となる1試合4HRを達成するなど特大のインパクトを残し満票で新人王に輝いたアスレティックスの超大型ルーキー。

2024年にドラフト1巡目(全体4位)でアスレティックスから指名されプロ入り。

2025年はAAAにおいて20試合で打率.353、7HRを記録し、24年も含めて僅か32試合でマイナーを“卒業”し4月23日にメジャーデビューを果たす。5月13日のドジャース戦で初HRを放つと以降はコンスタントにHRを量産し、7月25日のアストロズ戦では6打数6安打、4HR、8打点と打ちまくりルーキー史上初となる1試合4HRを達成。この試合での1試合19塁打はMLB最多タイ記録となるなど歴史的な活躍で大きく注目を集めた。最終的に117試合で打率.290、36HR、86打点、OPS1.002とルーキーとして歴史的な活躍を見せ、シルバースラッガー賞の受賞に加え、1位票30と満票でア・リーグ新人王に選出。新人王投票で2位にランクインしたチームメイトのジェイコブ・ウィルソンと共に一躍ラスベガスでの未来を担う存在となった。

youtu.be

愛称の「Big Amish(ビッグ・アーミッシュ)」の由来は、カーツがスプリングトレーニングにて自己紹介をした際に中学時代にアーミッシュ*2のツアーに参加したというエピソードを話した事から、チームメイトのマックス・シューマンがカーツの体格(196cm、108kg)と合わせて名付け、ローレンス・バトラーが定着させた様。カーツが塁上で見せる「Butter churn celebration(バター混ぜ)」もこの愛称から生まれたとか。

www.mlb.com

 

査定

・弾道4

Launch Angle 15.3、GB/FB 0.88

・パワー A86強振多用

バットスピードはMLB上位3%、Avg Exit Velocity(平均打球速度)、ハードヒット率は共に上位9%を誇るメジャー有数のパワーの持ち主。ISO*3も.329と非常に高く、抜群のパワーで方向を問わずにHRを量産した。

・走力 D59

Sprint Speed 27.1(MLB下位43%)

・肩力 D53

Arm Strength 74.1(MLB下位6%)。ポジション補正も含めてD53に。

対左投手F

対右打率.336、対左打率.197

パワーヒッター

本塁打率11.67、バレル率 18.4%(上位3%)とどちらもMLBトップクラス。LA Sweet-Spot%*4も上位13%とハイレベル。

広角打法流し打ち

カーツの2025年ヒットスプレーチャート(安打分布図)

全36HRの内17HRが逆方向(Opposite)への物。また打率も引っ張り方向(Pull)が.370、センター方向が.489に対し逆方向は.519と高くなり、HRも含めたヒット数は引っ張り(37安打)よりも逆方向(42安打)の方が多い。おかしくない…?

初球○

0ストライク時打率.486、OPS1.651

ローボールヒッター

カーツの2025年コース別HR数

全36HRの内16HRが低め(ゾーン外含む)を打った物。

対ストレート○

フォーシーム打率.307、15HR、Run Value +14、シンカー(ツーシーム)打率.377、5HR、Run Value +7とHRの半分以上が速球系からだった。

満塁男

満塁時打率.333(打数割合12)、2HR、OPS1.141

サヨナラ男

youtu.be

Walkoff(サヨナラ打)3回。同じ週にサヨナラHR2本という離れ業も。

三振

K%(三振率)30.9%

選球眼

Chase% 22.2%(MLB上位15%)、BB% 10.3%(MLB上位11%)

慎重打法

0ストライク時の打数割合17.6%、Swing% 43.1%。選球眼を活かす慎重なアプローチを見せるが、0ストライク時の打率.486と甘く入ったボールは逃さない。まさに好球必打。

 

ひとこと

リクエストありがとうございました!

今回は複数のリクエストを頂いたアスレティックスのニック・カーツ(2025ver.)でした!

シーズン序盤にはジャッジと首位打者争いを繰り広げていたジェイコブ・ウィルソンが新人王になりそうかなと思っていましたが、カーツが文字通り掻っ攫って行きウィルソンは陰に隠れる様な形になりましたね〜!

今シーズンの成績を考えるとWBCへの出場も決してあり得ない話ではないのかも?

 

charlewis.hatenablog.com

↓再現選手のリクエストはこちらから

odaibako.net

↓ブログの更新情報や日々のちょっとした呟きはX(Twitter)で!

x.com

*1:全スイングの内のSquared-Upの割合。Squared-Upとはバットスピードと投球の球速から求められる打球速度の理論上の最大値に対して、実際の打球速度がどれほど近かったか、どれだけ効率よく打球速度に変換できたかを示す指標。理論上の最大値(100%)を記録するのはバットの芯で捉えた場合のみで、芯から離れれば離れる程数字(%)は低くなり、80%以上を記録するとSquared-Upとしてカウントされる。

*2:移民当時の生活様式を守り続け、農業を中心とした自給自足の生活を送るキリスト教の一派

*3:Isolated Power。長打率から打率を引いて算出する打者の純粋な長打力を測る指標。

*4:ヒットになりやすいとされる8〜32°の打球角度を記録した打球の割合